伊東研究室の紹介
東京理科大学理工学部電気電子情報工学科 伊東研究室

伊東研究室の紹介


当研究室では,「画像」をキーワードに伊東晋教授を中心として下記のようなディジタル画像処理のアルゴリズム開発を精力的に進めており,学会等での研究成果の発表も積極的に行っています.

研究室環境についても,最新の個人用PCやノートPC,並列計算サーバ・ファイルサーバやメールサーバなど,大変充実しています.

~静止画像・動画像のデータ圧縮(高能率符号化)~

静止画像データの圧縮

大きなデータサイズを持つデジタル画像を,PCやスマホ等でサクサク表示・保存するには,JPEGやMPEG等の圧縮技術が不可欠です.伊東研究室では,より高能率かつ高画質な画像圧縮アルゴリズムの研究に取り組んでいます.特に,画質が全く劣化しない可逆符号化では,当研究室で開発した予測符号化方式が,世界トップレベルの圧縮率を誇っています.

皆さんが日々利用しているJPEGのように,画質が少し劣化する代わりに大幅な圧縮率を実現できる非可逆符号化の研究にも取り組んでいます.当研究室で開発した非可逆符号化方式とJPEGを比較すると,同じデータサイズでも画質の劣化を低減できています.

次世代メディアのための動画像データの圧縮

デジタルTV放送やDVDに採用されているMPEG2は,動き補償予測と直交変換を利用した動画像のためのデータ圧縮技術です.当研究室では,インターネット向けの超低ビットレートビデオ配信や,立体映像通信などの,次世代の映像アプリケーションを視野に入れ,新しい動き補償予測や効率的な動画像符号化アルゴリズムの開発を目指しています.

~人間情報学 → 知覚情報処理~

眼を持つヒトや動物は,視覚情報をもとに様々なものを検出・認識・理解できます.このような高度な視覚情報処理をコンピュータやロボットで実現するための研究を行っています.

コンピュータビジョンと画像情報処理

人間と同様な視覚処理機能を有するロボットの開発,CGや任意視点映像のための3次元データの構築には,計算機に対象物の奥行き情報も認識させることが必要となります.このようなコンピュータビジョンのための基盤技術の研究を行っています.

ITSのための映像処理

ITS(高度道路交通システム)は,最新の情報通信技術を利用して安全かつ快適な交通環境の実現を目指す広範なシステムです.当研究室では自動走行やドライバーの運転支援システムへの応用を目的とし,車載カメラで撮影した映像から,前方を走行する車両や走行レーン(白線)などをディジタル画像処理によって自動的に抽出する技術について研究しています.

被写体の 3次元復元

(多視点)ステレオ画像や,複数の光源を用いて撮影された画像から,対象物の3次元構造を抽出するアルゴリズムを開発しています.

3D 映像処理

上述の方法などによって被写体の奥行きが復元されることで,任意視点の映像を生成可能になります.このような奥行きを持つ映像データは,立体テレビ(3DTV)放送やロボットの視覚への応用が期待されています.当研究室では,3D映像から被写体の3次元の動きを復元する手法について研究を行っています.圧縮率向上や,車や飛行機(ドローン等)の自動運転などへの応用が期待されています.

球面画像処理とデータ圧縮

平面に写す通常のカメラとは異なり,球面上に被写体を写すことが可能なカメラでは,球面画像を取得できます.球面と平面では効率的な画像処理の仕方が変わってきます.このような球面画像に対する処理やデータ圧縮などについて研究しています.

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人間情報学 → 認知科学 → 認知心理学

人間や動物の視知覚の仕組みは未だに詳しくは解明されていません.人間や動物はどのように世界を見ているのか?その疑問に画像工学の観点から答えるための研究を行っています.下記のような運動錯視画像はコンピュータやロボットにどう見えるのかを調査しています.

rotation illusion

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References: Kitaoka, A., Murakami, I. and Ashida, H. (2006) Effects of flicker and blink on anomalous motion illusion. Talk in the 2006 Winter Meeting of Vision Society of Japan, Kogakuin University, Shinjuku, Tokyo, Japan, on January 28, 2006. http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/VSJ06w.html (in Japanese)