English

東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科
大学院 理工学研究科 電気工学専攻

近藤研究室 

概要

North Hoyle Offshore Wind Farm in Wales 太陽エネルギーや風力エネルギーは,発電時に地球温暖化ガスや放射性廃棄物を排出せず,爆発等の危険性が低く,枯渇しない国産エネルギーです。人類が使用するエネルギーのうち,これら自然エネルギーでまかなう比率を高めることが,環境影響,エネルギーセキュリティ,貿易収支等の観点から重要です。そして,太陽光発電や風力発電により電気エネルギーを生成し,電力系統に送り,需要家に使ってもらうことが,これらを効率よく利用する方法の1つです。
 ただし太陽光発電や風力発電には,エネルギー源である太陽エネルギーや風力エネルギーの密度が低いために発電設備が地理的に広く分散する(このため「分散型電源」と呼ばれます)こと,および発電出力が日射強度や風速といった自然条件により大きく変動すること,という欠点があります。これらの欠点は,水力・火力・原子力発電のような従来の大規模集中型電源にはないものです。電力系統は元々,分散型電源の大量導入を想定した設計・運用をされてこなかったので,太陽光発電や風力発電を大量導入すると,様々な問題が生じることが懸念されます。
 当研究室では,太陽光発電や風力発電の電力系統への大量導入に関連する研究を主に行いつつ,電力エネルギー全般に関する研究を行っています。

ただし騒音や景観等の問題や事故が全く無いわけではありません。これらが全く無い発電方式は現状ではありません。

 

構成メンバー (2016年度)

 [スタッフ] 近藤潤次(准教授),Nguyen Duc Tuyen(プロジェクト研究員),八木橋弘子(秘書:月,木曜日勤務)
 [学生] 修士2年:7名,修士1年:4名,学部4年:10名

 

主な研究内容   (電気学会B部門誌2014年8月号の研究グループ紹介記事へのリンク)

  • 負荷の消費電力制御による系統周波数調整:電力系統では供給(発電)と需要(消費)が常に釣り合っていないと,周波数が基準値(東日本では 50 Hz, 西日本では 60 Hz)からずれてしまい,様々な問題が生じます。通常,供給側である一部の発電設備が出力を調整することで,このバランスを維持しています。太陽光発電や風力発電などの出力変動電源の比率が高くなると,この需給バランス維持が困難になる懸念があります。これに対し,需要側である一部の需要家負荷の消費電力を「需要家の利便性に悪影響を与えない範囲で」調整することで,このバランス維持に貢献させ(下図参照),出力変動電源の導入による系統周波数変動を抑制する研究を行っています。

近藤潤次,坂田大画:「総消費電力時系列からの給湯機消費電力の抽出」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 6, pp. 116-117, 6-082 (2016.3)

K. Shibuya, J. Kondoh, "Autonomous control of charging power of battery assisted vehicles for frequency regulation", Grand Renewable Energy 2014 Proceedings, P-Wd-1-27, pp. 1-4, 29 July 2014, Tokyo, Japan

近藤潤次:「周波数調整を行うヒートポンプ給湯機の実証試験」,電気学会論文誌B,Vol. 133, No. 11, Nov. 2013, pp. 910-917

J. Kondoh, "Experiment of an Electric Water Heater with Autonomous Frequency Regulation", IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering, Vol, 8, No. 3, pp. 223-228, May 2013

J. Kondoh, N. Lu, D. J. Hammerstrom, "An Evaluation of the Water Heater Load Potential for Providing Regulation Service", IEEE Transactions on Power Systems, Vol. 26, No. 3, p. 1309-1316, Aug. 2011

J. Kondoh, "Autonomous Frequency Regulation by Controllable Loads to Increase Acceptable Wind Power Generation", Wind Energy, Vol. 13, No. 6, p. 529-541, Sep. 2010

J. Kondoh, "Direct Load Control for Wind Power Integration", IEEE PES General Meeting, July 25-28, 2011, Detroit, Michigan USA

J. Kondoh, "A Direct Load Management Scheme to Control Appliances and EVs While Considering End Users Comfort", Grid-Interop 2009, 17-19 Nov. 2009, Denver, CO, USA

J. Kondoh et al., "Future Consumed Power Estimation of Time Deferrable Loads for Frequency Regulation", CIRED 2005, 6-9 June 2005, Turin, Italy

J. Kondoh et al., "Consumed Power Control of Time Deferrable Loads for Frequency Regulation'', IEEE PES Power Systems Conference & Exposition, 10-13 October 2004, New York, NY USA

近藤潤次他:「需給バランス維持のための可制御負荷の制御法に関する考察」,平成16年電気学会電力・エネルギー部門大会論文集,470, pp. 54-29-30, 2004

近藤潤次他:「系統周波数調整のための熱負荷制御の可能性」,平成12年電気学会電力・エネルギー部門大会論文集(分冊A),286, pp. 729-730, 2000

需給バランスと系統周波数の関係 需給バランスと系統周波数の関係を表す図
実際には,電力系統内の同期発電機への機械的入力(供給)と電気的出力(負荷)の釣り合いにより回転数(周波数)が決まる。
 
    協調制御システムの構成例

    協調制御システムの構成例

  • パワーコンディショナの高機能化:一般住宅に設置される太陽光発電システムでは,直流電力を「パワーコンディショナ(PCS: Power Conditioning System)」で交流に変換して 100/200 V の低圧配電線に流します。その接続箇所が配電線の末端側であるほど,配電線の電圧が上昇します。接続箇所の電圧が上限値(100 V 系では 107 V)を超える場合,太陽からの日射があっても発電を諦める「出力抑制」を行わなければなりません。スマートグリッドによる双方向通信を活用(右図参照)した協調制御を行うことでこの出力抑制をなるべく避けたり,避けられない場合はなるべく平等に行うなど,パワーコンディショナの機能を向上させる研究を行っています。
当研究室設置の 1.2 kW PVシステム
当研究室設置の 1.2 kW PVシステム

J. Kondoh, Y. Irami, K. Mochizuki, H. Karasawa, Y. Kameda, "Influence of Diffuse Radiation on PV Power Variation", The International Conference on Electrical Engineering (ICEE) 2016, ID: 90413, pp. 1-2, July 2016, Okinawa, Japan

望月康平,伊丹陽平,亀田裕介,近藤潤次,和田幹彦,緒方司郎:「近隣の太陽光発電システムの発電出力との比較による異常検知手法の開発」,平成27年電気学会電力・エネルギー部門大会,237, pp. 5-6-9-10 (2015.8)

梅村拓矢,伊丹陽平,近藤潤次,和田幹彦,緒方司郎:「太陽光発電用PCSの電圧上昇時の応答特性が出力抑制損失に与える影響」,平成26年電気学会電力・エネルギー部門大会,366, pp. 9-2-21-22 (2014.9)

伊丹陽平,梅村拓矢,近藤潤次,和田幹彦,緒方司郎:「住宅用太陽光発電の連系点による出力抑制損失のばらつきに関する検討」,平成26年電気学会電力・エネルギー部門大会,182, pp. 3-6-11-12 (2014.9)

近藤潤次:「配電線電圧分布の協調制御による太陽光発電大量導入時の出力抑制損失低減の評価」,電気学会論文誌B,Vol. 130, No. 11, Nov. 2010, pp. 981-988

近藤潤次他:「階層的協調制御による配電系統の電圧調節」,電気学会論文誌B,Vol. 126-B, No. 10, Oct. 2006, pp. 994-1002

近藤潤次他:「分散型電源を含む配電系統の電圧調節法に関する考察」,電気学会論文誌B,Vol. 124-B, No. 12, Dec. 2004, pp. 1432-1438

近藤潤次他:「分散電源連系時の電圧変動抑制方法に関する一考察」,平成12年電気学会全国大会,7-211 (2000)

 

齋藤大地,鈴木優,近藤潤次:「風力発電のkW価値の評価手法の比較」,電気学会新エネルギー・環境/高電圧合同研究会, FTE-16-35, pp. 133-138 (2016.7)

櫻井祐希,近藤潤次:「日照データを利用した県規模の日射変動の評価」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 6, p. 294, 6-180 (2016.3)

近藤潤次,田口貴一:「熱電式日射計の応答遅れの補正」,電気学会論文誌B, Vol. 136, No. 2, pp. 222-223 (2016)

櫻井祐希,近藤潤次:「関東と東北の広域エリアにおける日射変動の平滑化効果の評価」,平成27年電気学会電力・エネルギー部門大会,162, pp. 2-5-9-10 (2015.8)

近藤潤次,田口貴一:「熱電式日射計の応答遅れの補正に関する検討」,平成27年電気学会電力・エネルギー部門大会,230, pp. 5-5-11-12 (2015.8)

近藤潤次:「日本の異なる電力系統エリアにおける風力発電のkW価値」,風力エネルギー,Vol. 38, No. 4, pp. 73-78, Feb. 2015

J. Kondoh, "Capacity Values of Wind Power on Different Power Systems in Japan", Grand Renewable Energy 2014 Proceedings, O-Wd-11-1, pp. 1-4, 29 July 2014, Tokyo, Japan

鈴木優,吉澤賢典,近藤潤次:「関東と北海道における風力・太陽光発電のkW価値による評価」,電気学会新エネルギー・環境/高電圧合同研究会, FTE-14-025, pp. 31-35 (2014.6)

近藤潤次:「系統内で集合化した風力発電のkW価値の評価」,電気学会新エネルギー・環境/メタボリズム社会・環境システム合同研究会,FTE-13-055, pp. 51-56 (2013.11)

北海道(2010年)における月間ピーク電力需要と風力発電月間平均出力の関係 北海道(2010年)における月間ピーク電力需要と風力発電月間平均出力の関係

 

佐藤英樹,近藤潤次:「固定速フライホイール電力貯蔵装置の検討」,電気学会新エネルギー・環境/高電圧合同研究会, FTE-14-032, pp. 67-70 (2014.6)

 

横正達也,近藤潤次:「洋上風車への落雷時の海面での電位傾度の抑制」,電気学会 高電圧/新エネルギ−・環境合同研究会, HV-15-057, pp. 7-10 (2015.5)

近藤潤次,川口直樹,野極日出男,徳田憲昭:「洋上風力発電設備の接地抵抗測定方法の検討(第2報)」,電気学会 高電圧/新エネルギ−・環境合同研究会, HV-15-059, pp. 15-19 (2015.5)

近藤潤次,川口直樹,野極日出男,徳田憲昭:「洋上風力発電設備の接地抵抗測定方法の検討」,平成27年電気学会全国大会, 7-018 (2015.3)

洋上での接地抵抗測定実験風景 洋上での接地抵抗測定実験風景
 

小花崇樹,近藤潤次:「山岳線区を走行する列車への蓄電池導入の検討」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 5, pp. 305-306, 5-193 (2016.3)

小花崇樹,近藤潤次:「直流電化区間への蓄電池電車導入の検討」,電気学会 交通・電気鉄道研究会, TER-15-023, pp. 31-36 (2015.5)

 

松本健太郎,水野秀俊,ウェン ダック トゥエン,近藤潤次:「小形風車用PCS運転条件が単独運転検出時間に与える影響」,電気学会新エネルギー・環境/高電圧合同研究会, FTE-16-22, pp. 57-60 (2016.7)

Nguyen Duc Tuyen, J. Kondoh, K. Matsumoto, T. Funamoto, "Remote Data Acquisition of a Small Wind Turbine", The International Conference on Electrical Engineering (ICEE) 2016, ID: 90006, pp. 1-6, July 2016, Okinawa, Japan

Nguyen Duc Tuyen, J. Kondoh, K. Matsumoto, T. Funamoto, "Review of international standards on FRT requirements for WT and suggestion to Japan context on SWT", The International Conference on Electrical Engineering (ICEE) 2016, ID: 90368, pp. 1-7, July 2016, Okinawa, Japan

水野秀俊, 近藤潤次:「倍電圧整流を用いた同期発電機の新しい自己励磁法」,電気学会論文誌D, Vol. 136, No. 5, pp. 375-376 (2016)

ウエン ダック トウエン,松本健太郎,船本卓治,近藤潤次:「小形風力発電機用のリモートデータ収集」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 6, pp. 353-354, 6-215 (2016.3)

水野秀俊,近藤潤次:「自動車オルタネータ転用風力発電機の自励回路」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 7, pp. 96-97, 7-067 (2016.3)

船本卓治,松本健太郎,水野秀俊,ウエン ダックトウエン,近藤潤次:「実フィールドでの小形風車FRT試験システムの開発 (1)自動負荷調整抵抗器」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 7, pp. 105-106, 7-072 (2016.3)

松本健太郎,船本卓治,ウエン ダックトウエン,近藤潤次:「実フィールドでの小形風車FRT試験システムの開発 (2) PCSの連系運転」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 7, pp. 107-108, 7-073 (2016.3)

Nguyen Duc Tuyen, 近藤潤次:「Wind Data Acquisition Applied to Power Estimation of Small Wind Turbine」,平成27年電気学会電力・エネルギー部門大会,129, pp. 1-5-7-8 (2015.8)

データ計測している小形風力発電システム
水平軸0.7kW機
千葉県野田市(水平軸0.7kW機)
水平軸4.9kW機
秋田県男鹿市(水平軸4.9kW機)
垂直軸1kW機
福島県須賀川市(垂直軸1kW機)
 

J. Kondoh, Y. Yasuda, H. Holttinen, "Differences of Wind Integration Methodologies between High Penetration Countries and Japan", Grand Renewable Energy 2014 Proceedings, P-Wd-2-46, pp. 1-4, 31 July 2014, Tokyo, Japan

近藤潤次:「風力発電の導入による電力系統への影響と対策 -IEA Wind Task 25に参加して-」,風力エネルギー,Vol. 37, No. 3, pp. 306-310, Nov. 2013

近藤潤次:「IEA Wind Task 25 『風力発電大量導入時の電力システムの設計と運用』の活動報告」,第33回 風力エネルギー利用シンポジウム,pp. 100-108 (2011.11)

太陽光・風力発電設備導入容量の変遷
太陽光・風力発電設備導入容量の変遷
IEA PVPS Trends 2015 in Photovoltaic Applicationsおよび
GWEC Global Wind Report 2015に記載のデータより
各国の風力発電設備容量と風力発電導入率(2013年) 各国の風力発電設備容量と風力発電導入率(2013年)
出典:IEA Wind Annual Report 2013, p. 5, Table 2より一部抜粋。
**は以下の情報を基に追記:風力発電設備容量はGWEC Global Wind Report 2014より,
風力発電発電電力量は設備利用率25%と仮定して算出,電力需要は2010年
または2011年の値を「海外電気事業統計 2013年版」(海外電力調査会発行)より
 
磁気エネルギー回生スイッチを用いた太陽光発電用DC/DC昇圧回路(解析にはPSIMを使用)

安斎政太郎,近藤潤次,嶋田隆一:「磁気エネルギー回生スイッチを用いた太陽光発電用DC/DC昇圧回路の提案」,平成27年電気学会電力・エネルギー部門大会,P47, pp. 93-94 (2015.8)

水素電力貯蔵

川嶋貴史,近藤潤次,前田哲彦:「5Nm3/h級水電解・燃料電池一体型セルの電解特性」,平成28年電気学会全国大会, Vol. 7, p. 23, 7-018 (2016.3)


 

受託研究,共同研究など