代数的整数論というのは, 一変数多項式の根であるような数(代数的数) を研究する学問であって, 古くから研究されてきた分野であるが, 近年では, その応用として, 数体ふるい法と呼ばれる素因数分解法が注目されている.
初等整数論に基づく暗号が用いられるようになり, その関連で 素因数分解の効率的なアルゴリズムの研究が盛んになって, さまざまなアルゴリズムが考案されているが, 数体ふるい法もその一つであり, 楕円曲線法とならんで, もっとも効率的のよいものの一つにあげられている.
この講義では, 数体ふるい法を理解するために十分な 数学的基礎をまなび, 数体ふるい法のアイディアを理解することを目標にする.
次のような内容を予定している.