授業科目名
情報数理特論
英文授業科目名
Topics in Information Mathematics
担当教官名等
木田 雅成 東1号館 413
概要
代数的整数論の基本的な事項についての講義をする。 代数的整数論というのは、一変数多項式の根であるような数(代数的数) を研究する学問であって、古くから研究されてきた分野であるが、近年では、 その応用として、数体ふるい法と呼ばれる素因数分解法が注目されている。

初等整数論に基づく暗号が用いられるようになり、その関連で 素因数分解の効率的なアルゴリズムの研究が盛んになって、 さまざまなアルゴリズムが考案されているが、 数体ふるい法もその一つであり、楕円曲線法とならんで、 もっとも効率的のよいものの一つにあげられている。

この講義では、数体ふるい法を理解するために十分な 数学的基礎をまなび、数体ふるい法のアイディアを理解することを目標にする。

講義内容
1.
初等整数論からの準備
(a)
群論の復習
(b)
原始根
(c)
合同式, 平方剰余
2.
代数的整数論
(a)
環と体
(b)
代数体
(c)
代数的整数
(d)
剰余体
(e)
イデアル類群
(f)
単数群
3.
素因数分解
(a)
古典的な素因数分解法
(b)
二次ふるい法
(c)
数体ふるい法

参考書
1.
石田 信 : 代数的整数論 森北出版
2.
小野 孝 : 数論序説 裳華房
3.
H. Cohen: A Course in Computational Algebraic Number Theory, Springer Verlag
4.
岡本 龍明, 太田和夫 共編 : 暗号・ゼロ知識証明・数論 共立出版




Masanari Kida
4/2/1999