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2008年度の講義
- 前期
- 線形代数学第一 線形代数
とMaple
- 関数論(夜間主コース)
今年から、無理して留数定理まで教えるのをやめた。そのかわり、
複素数の計算や、複素平面、複素平面内の図形などに時間をとる。
演習問題のない教科書を使ってしまったので、毎回演習問題のプリントをだした。
そのための準備に結構時間がとられた。
そのプリントの中からテスト問題をだすと約束して、実際そうしたのだが、少数のできる人
以外は勉強してくれなかったようだ。毎回、回収して採点する余裕
があればよいのだが。
- 応用代数学
「問題で学ぶ初等整数論」と題して、いろいろな具体的な問題を解き
ながら、それを題材にして、初等整数論の入門の講義をしてみた。
出席者は20人弱で去年より増えた。楽しんでくれた人もいたようだ。
- 現代代数学基礎論第二 (大学院修士)
「群とその表現」をやるつもりだったが、「計算からはじめる群論
入門」という感じの講義になった。群の乗積表から始めて、
部分群をすべて手で求めたり、交換子を計算したり、結構たくさん計算させた。
群には慣れたのではないでしょうか。
- 卒業研究
Hardy-Wright: An introduction to the theory of numbers を浦田君と読む。
この本、部分的には読んだことがあるのだが、詳細に読むのは初めて。
ほとんど何も道具を使わず興味深い結果を次々に証明していく。とても
面白い。6章まで読んだ。
ただ、卒研の中間発表の題材になるものはこの時点ではないので、Artin の
Algebra で Todd-Coxeter algorithm を勉強して、しのぐことにした。
これも簡単だが面白い。
- 後期
- 線形代数学第二 線型写像
(Maple worksheet)
- 数学演習第二 (2コマ)
第六回演習 Maple worksheet ,
第八回演習 Maple worksheet
この2クラス雰囲気がずいぶん違った。片方は集中力があり、もう片方は、TA に
質問せずに自分達でがやがややっている。やりやすさにも差があったのだが、
双方に成績の差はあまりなし。不思議なものだ。それにしてもまったく手が付か
ない人が何人もいるのはどうしたことか。そういう人がいないように、問題を
解き始める前に簡単な解説をしてるのだが... そういう方達は、
わたくしの言葉など信用がおけないとばかりに聞いていない(あるいは聞こえて
いない)ようだ。
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現代数学特論第二 (大学院博士)
受講希望者がいなかったため開講されませんでした。
- 卒業研究
Hardy-Wright の続き。第9章まで読む。「面白いんだけど、なにも
新しく学んだ気がしない」とは浦田くんの弁。確かに新しい概念が登場するわけ
でもなく、日常接している数の世界を初等的な手法だけで探求していくわけだか
らこのような感想がでるのだろう。確かに、もう少し代数学の知識を援用すれば
すっきりする部分もある。そういうのは、advisor が補うしかない。
でも、この本はこの本でスタイルがはっきりしているし、
古典としての魅力に溢れていると思う。
- 代数学III・代数学特論(学習院大学)
グレブナー基底 Maple worksheet no.1
, Maple worksheet no.2
, Maple worksheet no.3
, Maple worksheet no.4
,
Maple worksheet no.5
昨年の電通大に続き二回目の講義で少し余裕がある。第一章を一変数多項式に関
する部分を軽くやったあと、第二章を第8節までゆっくり目に
Maple を使った実演を交え
ながらやった。最後は消去定理と第五章の商環での
計算で終わる。グレブナー基底入門としては、うまくいったのではないかな。
もう一、二時間応用を話せればもっとよいかな。
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