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2011年度の講義
- 前期
- 線形代数第一(火3)
- 現代数学入門A(木2)
論理,集合,実数
初めて教える科目.教えるのは新鮮で楽しかったけれど,計算のスキルを学ぶのではなくて,証明を読み,証明を書くことが中心のこの科目は多くの学生にとって,
ついてくるのが大変である.自分で意識してトレーニングができる人は単位が取れる.
その他の人には時間の無駄かもしれない.
- 現代代数学基礎論(水1)
代数系の基礎
環と体の基礎理論を例を中心にやった.
- 学部セミナー
二人の学生と Grosswald: Topics from the theory of numbers を5章の平方剰余の
相互法則まで読んだ.内容,英語とも難しすぎたようで,学生は辛かったようだ.
私もほとんど英文解釈教室のようなセミナーが辛かった.いい本だとは思うけれど.
- 後期
- ベクトルと行列第二(月2)
夜間主コース.今年の教科書は線形写像が
大幅に簡略されているのがよい.ベクトル空間の記述もほとんどない.
難しい概念がないので,みんなが単位が取れるかというとそうではない.
やはり行列で連立一次方程式が解けない人は単位が取れない.必修なのに
試験を受けない人がかなりいるので,合計で登録者の4割近くが不可になってしまった.
- 線形代数第二(火3, 水2)
今年は執筆中の教科書があるので,それにあわせて証明が若干多めだった.
ノートを勉強して簡単な証明が自分で書けるようになってほしいが,
証明問題の正答率は極めて低い.
- 代数学III・代数学特論(学習院大学, 金2)
群論
受講者は3名.人気はない.例がたくさん載っている教科書で楽しかった.
たくさん手計算の課題をやったので身に付いたのではないかと期待している.
- 学部セミナー
一人は数学セミナーの橋本先生の連載の2項係数の部分を読み,
もう一人はハーディ•ライトの連分数の部分を読んだ.
卒論を書かせるのが正直いって非常に大変だった.
どうやったら,学生が正しく数学ができるようになるのかということを
考えさせられた年だった.
当たり前だが,愚痴をこぼしているだけでは学生はできるようにならない.
6とb, 9 と q を間違える学生には筆記体の書き方を教え,
検算の習慣のない学生には毎回検算をやらせる.そういう積み重ねしかない.
昔なら中学から高校で習慣になっていることが,そうなっていない以上,
どこかで教えないと身に付かない.
人に読んでもらう文章をかつて書いたことがなく,読書の経験もない学生に
いかに卒論を書かせるか.今年は「てにをは」まで徹底的にやることになった.
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