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ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社 代表取締役社長 桐谷 重毅 氏

ビッグデータを無駄にするか、
価値にするかは、
論理的思考力にかかっている。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
代表取締役社長

桐谷 重毅 氏

私が社長を務めているゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社は、主にお客様のお金をお預かりして運用する「資産運用」業務を行っています。ビッグデータの分析については、数理解析を使った運用チームが、科学的知識や手法を取り込みながら、他社よりも良い運用を提供しようと毎日努力しています。今やビッグデータは必要不可欠なものとなっていますが、重要なのはその中から何を拾ってどういう風に使うかということだと思います。データを扱う前に「多分こういうことなんだろうな」と予測する直感力、目指すゴールに向かい、道筋を組み立てる論理的な思考力や構想力を備えていることが大前提。データはあくまで道具で、使う人次第で強い武器になったり、役に立たなかったり。とてもパワフルな道具ではありますが、道具の限界を知りながらハンドリングできるよう、学んでいただくと良いのではないかなと思います。

情報収集のスピードアップで、
仕事のプロセスが変わった。
差別化の決め手も変わった。

具体的にデータ活用の例を挙げてみましょう。たとえばある小売業の場合。これまでは企業が決済を集約して数日後に初めて、「どうも売上が伸びているらしい」とか「減っているらしい」ということがわかったんです。情報を受け取るまでにタイムラグがあった。その小売業が大きなスーパーだとしたら、今は、駐車場に設置したカメラで、停まっている車の台数の増減を去年と比較しながら、「おそらく車の台数が増えているから売上が伸びているんでしょう」「台数もこのくらい増えているから売上もこのくらい増えているんでしょう」と予想が立つわけです。実際にどれだけ増えたかというのは集計しないとわからないものの、人よりも早く予想が立てられる状態になっている。いったん誰かがまとめて発表してくれたものを待ってから仕事が始まるより、その前に、自分たちで何か始めることができるというのは、仕事のプロセスの大きな革命です。これが上手にできることが、自分の差別化を図れる要素になり、さらには独創性につながっています。

文理を超えた学びで、
新時代のビジネスパーソンへ。

私が組織を育てる上で重視しているのは、ダイバーシティ(多様性)です。違うバックグラウンドを持った人たちが集まった方が、新しい価値が生まれると考えています。理科大で言えば、経営学部のマネジメントの人、理学部のサイエンスの人、工学部のエンジニアリングの人。そういう多様な個性によってひとつの組織をつくっていくのが大事です。もともとサイエンスやエンジニアリングなどの理系に強い大学が経営学部をつくるというのは、日本全体の大学教育の観点でも、大変良いことだと思います。そして、多様性のある環境で経営学を学んだ人たちにとって、私たちの運用業界はかなり魅力的なのではないかなと思います。日本は高齢化が進んでいますが個人の金融資産は多く、運用業界は非常に成長余地が大きい。また、成長に伴って業界が動き続けるからこそ、リスクもあればチャンスもある、そんな刺激的な業界です。
皆さんも、学生時代は成功や失敗にこだわらず、興味のあることや気になったことがあれば、自分で分析して自分で仮説を立てて、アクションを起こす経験を楽しんでみてください。

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