高次元物質科学の創出を目指して

ふつうの結晶は原子が周期的に並んだ構造をもちます。

ところが、1984年に発見された準結晶では原子は周期的に並んでおらず、準周期性と呼ばれる特異な規則性に従って並んでいます。準結晶での原子の並びは、高次元結晶学によりエレガントに説明できます。高次元結晶学では、3次元空間で周期性もたない原子の並びを、「補空間」と呼ばれる空間を加えた高次元空間を用いて記述します。このように補空間を含む高次元空間で統一的に記述される物質群を「ハイパーマテリアル」と定義します。

本研究領域は、この高次元結晶学の概念を物質科学に拡張することを目指します。つまり、補空間におけるデータ科学を創成・活用して新たなハイパーマテリアルを創製し、結晶では不可能な高次元や高対称と密接に関連する諸物性を明らかにすることで、新たな物質科学を創出することを目的としています。

News

2025年07月03日受賞
ICQ16において、田村 隆治氏(計画班A01)がThe 2025 Jean-Marie Dubois Awardを受賞しました。また、東京理科大学先進工学研究科マテリアル創成工学専攻 内藤 玲さん(M2)、丹羽 康博さん(M2)がIUCr Award For Young Scientistsを受賞しました。詳細はこちらをご覧ください。
2025年06月17日Topics
東京理科大学 山本 貴史氏(A01班)らによる論文"Anomalous magnetic response in the Au-Al-Gd 1/1 quasicrystal approximant"がPhysical Review Bに掲載されました。詳細はこちらをご覧ください。
2025年05月28日受賞
東京理科大学 阿部 宇希さん(2024年度修了)(A01班)が2025年春季大会 日本物理学会学生優秀発表賞(領域6)を受賞しました。詳細はこちらをご覧ください。
2025年05月22日Topics
東京理科大学 Farid Labib氏(A01班)らによる論文"Identification of two distinct antiferromagnetic phases in the Au-Al-Gd quasicrystal approximant"がPhysical Review Bに掲載されました。詳細はこちらをご覧ください。
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