2023年12月6日,その悲劇は起きた.
その数日前から,自分の Apple ID でログインができなくなった. 困るのは,カレンダーとリマインダー,メモ,そして愛用の Goodnotes の icloud 同期である.私は2つの ipad, 2つの Macbook, そして Mac pro, iPhone を常用しているので これらの間の同期は必須である.
思い当たることとしては,11月26日に私の Apple ID から iMessage にサインインが 行われたとのメールがきたこと.私は iMesseage をほとんど使わないので どういうことだろうと思っていたが,無視していた. 12月4日になって USPS (合衆国の郵便会社)を名のる次のようなメッセージが20通以上 きた.

The USPS package has arrived at the warehouse and cannot be delivered due to incomplete address information. Please confirm your address in the link within 12 hours.
https://tools.tracked-usps.--- (クリックできないように一部伏字にしています)
(Please reply to Y, then exit the SMS, open the SMS activation link again, or copy the link to Safari browser and open it) The US Postal team wishes you a wonderful day

これは明らかにフィッシングメールで,ググると同様なメールが拡散されていることが わかる.
12月5日,Apple サポートに連絡したところ,Apple id のリセットするので,一日 Apple からリセット完了を知らせるメールを待ってください,とのこと.数時間後 Apple からの返事は

お客様のリクエストは、Apple IDを再度有効にするための条件を満たしていないと判断されました。
今後ともよろしくお願いいたします。
Appleサポート

理由の開示もなく,これだけである.再度 Apple サポートに電話. (Apple ID が使えないとサポートに電話をするのも一苦労である.) 2時間近く話をしたが,結論は「どうにもならないので,新しい Apple ID を 作成してください.これまでの購入履歴,iCloud にあるデータにはアクセスできません」ということ.理由を聞いても「私たちではわからない」の一辺倒.ではわかる人と 電話を変わってくれというと,「私たちには上に意見を上げることはできるが, それに対して返答があることは期待しないでくれ」とのこと.
これから新しい Apple ID をとり,すべてのデバイスで再設定をしなくてはならない. デバイスを初期化しない場合は,すべてのデバイスの購入証明書をとって, Apple の承認のもとで,Apple ID の再設定をするらしい.どれだけ手間がかかるかを考えると,まだ手をつけられないでいる.
それにしてもこれまで購入したアプリもすべて闇に消えてしまう. もしかしたら Time Machine でのバックアップも ID がないとアクセスできなくなる のかもしれない(試してないけど).
結論.こういうことがあるので,iCloud を頼りにしすぎるのはやめた方がいい. それから,Apple store から高額のアプリの購入は避けた方がよい.
思い出すたびにため息がでる体験.厄年ってやっぱりあるのか.
あなたの手元にある Apple のデバイスはあなたのものではなく,Apple の所有物であることを心にとめておくのが大切なのかも.
最近,いろいろなことをすぐに忘れてしまうので,こうして書き留めておく.

2024年1月3日


Apple id を使わないで3ヶ月ほど使ってきたが,iphone のアプリで使えないのものが 出てきた.Apple store は使えないので,更新ができない.
新学期が始まって忙しくなる前に,改めて Apple サポートに電話. 合計2回 3 時間近く話したが解決はせず.
とにかく新しい apple id を作ろうとしたが,私が使っているもう一つのアドレスを受け付けて くれない.サポートの話では,このアドレスが以前の apple id に紐づいているらしく,この アカウントが使えない...メールアドレス増やしたくないな.
というわけで,新しい apple id をとるためには,新しいメールアドレスが必要. さらに,2ファクタ認証が必須ということで,前の apple id と紐づいている iphone で 認証ができるか不明.
前の apple id との紐付けを断ち切るには,購入証明書をそれぞれのデバイスに対して お店で発行してもらって (Mac Pro, iMac, Macbook pro, Macbook Air, ipad, ipad pro, iphone, Apple TVなどなど),それで Apple に電子申請するそうだ.これだけでも相当大変. おまけに新しい id に紐づけるとき,デバイスの中のデータは消去されるらしい. 恐ろしくて簡単にできる作業ではない. おまけに iphone とか ipad ってファイルに対する操作が基本的にあまりできないので, データをどこか外部に保存とかもできない.やれやれ.
こういう仕様になっているのは,「探す」の機能で,デバイスを紛失した時のデータ消去などが 主目的らしい.そうであれば,デスクトップのように固定されているデバイスは「探す」の機能を オフにして使ったほうがよいのかもしれない.予防として.
2024年4月3日追記


調べてみると,gmail はエイリアスが使える.これを使えばメールアカウントを 増やさずにすむ.

まずはあまり使っていない ipad から,新アカウントに移行する. 徐々にデータを移そうという作戦. 販売店に購入証明書を書いてもらって,写真をとって apple のサイトにアップロードする.数日のうちに 「アクティベーションロックの解除リクエストが承認されました」とメールが送られてくる.この状態で ipad をリカバリーモードでリセット.ここで ipad のバックアップから 復元したいところだが,これをやるとまたロックがかかってしまう. というわけでクリーンインストールするしかない.

メモとか,写真とか,AirDropで移せるのはこの時点でうつしておく.

一番心配だった GoodNotes6 を復旧.Apple Store からダウンロードして,アカウントにログインすると,ちゃんと購入した状態になった.次はデータ.ロックされている アカウントの iCloud は使えない.Dropbox にバックアップしておいて本当によかった. バックアップディレクリの拡張子 .goodnotes のファイルをクリックすれば復元ができる.

次はカレンダー.これが難関.Apple に電話しても移行する方法はないの 一点張りである.面倒だが自力で.(以下の手順は私が偶然うまくいっただけで, この手順を保証するものではありません.) ~/Library/Calendar の下をみるといくつか database ファイルがある.これだろうと 目星をつけて,ファイル名をググる.これは SQLite というデータベースソフトの ファイル形式だとわかる.web を見ながら,つたないコマンド操作でデータを取り出すことができた.これを csv で出力する.これをみると一番古いデータは 1998 年のもの. もう25年も電子管理をしているわけだ(最初はシャープの Zaurus).データは約7800件.これを失うわけにはいかないでしょ.cvs を ics に書き換えてくれるサイトがあるので,これを利用して,Calendar アプリの読める ics を作った.ここで問題. Apple のアプリはデータベースの管理に Mac absolute time を使っている. 2001年1月1日0時からの秒数.これは通常 Unix 系の OS で使われる Unix time (1970年1月1日0時 の秒数)とは 978307200 秒の違いがある.通りで私の csv には マイナスの時間がたくさんあるわけだ.というわけで,csv をはきだす時に 978307200をたしてあげなければいけない.あー面倒.どんどん時間が使われていく. 昔はこういうのが楽しくて Linux とかを使ってたのだが,本業に忙しい今はこういうことに時間を使いたくない.まあとにかく,完全にではないけれど,カレンダーのデータも 復元できた.ほんとうはリマインダーも復元したいのだが復元のしかたがわからず. 古い MacOS だと「書き出す」ことができたらしいが今のものはできない.やれやれ.

これから PC そして iphone に作業は移っていく.気が遠くなるような時間が続く. 2024年4月27日追記


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