配属希望者へ

小柴研究室では 「次世代コンピュータのためのシステムソフトウェア・ハードウェア」 をテーマとして、最新のハードウェア・ソフトウェア技術を対象にコンピュータに関する様々な研究課題に取り組んでいます。このページでは、配属を考えている学生の皆さん向けに、本研究室での研究の進め方や研究環境などを一部紹介します。主な研究テーマは研究ページを、メンバーはメンバーページを見てみてください。

ホームページには書けない情報や、文字だけでは伝わらないこともあると思うので、配属を迷っている・考えている人は、まずは気軽に野田キャンパス19号館3階にある小柴研究室に遊びに来てください。見学はいつでも歓迎です。 僕が部屋にいない場合もあるので、ページ下部の見学申し込みフォームからアポイントメントを取ってもらうとスムーズです。

研究の進め方

研究ページで紹介したように、本研究室ではコンピュータに関するものなら何でも研究していますが、その実体は、実社会で動く「システム」を作り出すことにあります。 これはSystems Researchという研究分野の特色もありますが、どんなに優れたアイデアでも、実システムとして動かし、結果を実証しなければ、社会ではなかなか理解されにくい・評価されづらいためです。

そこで小柴研では、「実際にモノを作って動かす」ことを第一に研究を進めています。流れとしてはどのテーマでも大体一緒で、以下のような感じです。

  1. 研究テーマを決める。 持ち込みテーマも大歓迎ですが、卒論・修論などのタイムリミットもあるので、教員と相談しながら方向性や詳細を詰めていきます。
  2. 研究機材(サーバ、GPU・FPGAなどアクセラレータ等)を用意する。 まだ実製品のないハードウェアを扱うこともあるため、エミュレータやFPGAでのプロトタイプ実装もよく使われます。
  3. 提案システムを実マシン上 (or エミュレータ上) で実装する。 提案システムによってソフトウェア (C/C++, Python, Rust) だったり、ハードウェア (高位合成、Verilog/SystemVerilog, Chisel) だったりします。
  4. 定量的な評価で有効性を検証する。 アプリの実行時間や転送スループット、リソース利用率などの網羅的な評価をし、更に既存システムと比較することで提案手法の正しさを立証します。
研究の進め方

また、小柴研では、研究の再現性の担保や今後の発展のため、原則として実装したシステムをオープンソースとして公開することを目指します。オープンソースといっても気負う必要はありませんし、将来的にチームでのシステム実装やバージョン管理にも役立つので、ぜひチャレンジしましょう!

研究スケジュール例


あくまで一例ですが、研究室配属後から修士までのスケジュールを示します。大体このペースで研究が進めばとても優秀で、卒業・修了は全く問題ないと思います。もっと研究に打ち込みたい人や、博士課程を目指す人は、自分のペースでガンガン進めましょう!
学年フェーズ主な内容
B3後期基礎固めOSなどのシステムソフトウェアに関する教科書の輪講や、プログラミング演習を通じて研究の基礎力を身につける。余裕があれば、自分の興味のあるテーマについて既存研究の調査をする。
B4実装と評価引き続き既存研究の調査をして、教員と相談して研究テーマを決める。テーマが決まったら、提案手法の肝となる機能を実マシン上で実装して評価する。
M1–M2発展と発表卒論までの研究成果を国内研究会や国際会議で発表する。システムのend-to-endな実装と評価、提案手法の実証を行う。うまく研究がまとまったら、トップレベルの国際会議論文の執筆・投稿にチャレンジする。

研究スケジュール例

運営方針

大体の方針は以下のような感じです。今年4月にできたばかりの研究室なので、詳細についてはこれから入ってくる皆さんと相談しながら一緒に決めていきたいと思います。

  • 指導方法: 本研究室ではグループワークが中心になります。独学や個人の力で研究を進めるのが中々に大変な分野なので、学生と教員が協力しあって難しい課題にも取り組んでいきます。あまり一人で悩まずに、教員や先輩をどんどん頼ってください。
  • コアタイム: 基本的にはありません。ただし上で書いたように、一人で研究するよりも、研究室に来て教員や先輩にいつでも聞ける環境で作業するのがおすすめです。また、週1〜2回のゼミ・個別ミーティングを実施して、こまめにフィードバックを返していきたいと思います。
  • 対外発表: Systems Researchはジャーナル論文ではなく国際会議が主流の分野です。なので、国内外を問わず対外発表する機会は他の研究室よりも多いと思います。そう聞くと大変そうに思うかもしれませんが、国際会議や研究会は様々な企業や大学の先生が参加するので、就活や人脈を広げるチャンスです。英語発表もしっかり指導するので、チャンスがあれば積極的に挑戦しましょう!

研究機材と外部サポート

研究機材

研究を円滑に進めるための機材として、Intel/AMDの高性能サーバや GPU・FPGAなどのアクセラレータカードを用意しています(共同研究先の設備含む)。今後も追加予定です!

  • Intel/AMDサーバ: 8台以上
  • NVIDIA GPU: 4台
  • AMD FPGA: 11台

産学連携・外部サポート

本研究室は、上記の研究機材の提供元でもあるミュンヘン工科大学のSystems Research Groupや、情報・システム研究機構(ROIS)のセキュアコンピュータシステム研究開発センター(CRADSEC)など、国内外の大学・研究所と連携しています。今後も様々な研究機関と提携予定です。


東京理科大学のサーバ
ミュンヘン工科大学のサーバ

研究を通じて身に付くこと


これは研究テーマ選びや、学生の皆さんの頑張りに依存する部分が大きいのですが、配属後の研究を通じて、以下のような能力・スキルが身に付くと期待できると思います。
  • CPUアーキテクチャやシステムソフトウェアなどのコンピュータシステムの低レイヤに関する知識
  • End-to-endなコンピュータシステムの設計・実装力(API・ライブラリ、OS・ハイパーバイザ、メモリ管理、FPGA・GPUなどのアクセラレータ制御、ネットワーク制御、CPUアーキテクチャ、etc.)
  • ソフトウェアとハードウェアの両面からコンピュータを深く理解する力
  • ソフトウェア設計・実装能力 (C/C++やRust, Python, シェルスクリプト等)
  • ハードウェア設計・実装能力 (SystemVerilogや高位合成ツール、Vivado IDE等)
  • ソフトウェア・ハードウェア協調設計能力
  • 実測・ベンチマークに基づく定量的な有用性の検証の作法
  • オープンソース実装やバージョン管理ツールの経験
  • 国内研究会・国際会議での発表・論文執筆の経験

これらの能力は、トップ企業や研究所でも重宝されるような、ハイレベルなスキル・能力です。就職先については色々な選択肢があると思いますが、僕も所属している情報処理学会OS研究会の年間スポンサーの企業同研究会委員の所属先、また国際会議のスポンサー企業などを見ると、どんな企業が注目している分野なのかが分かると思います。


USENIX ATC 2024
EuroSys 2026

研究室見学のお申し込み

質問や研究室見学のご希望は、下のフォームからお気軽にお送りください。追ってご連絡します。