筆者らは,近年要求性能が増大しているクラウド環境の省電力化を目標として,仮想化環境向けの DVFS 制御の研究を行っている.先行研究の DVFS 制御手法は,ディスク I/O やネットワーク I/O 性能を考慮しないため省電力効果が十分に得られない,事前に仮想マシン (VM) の性能解析を必要とするため手間がかかる等の課題があった.そこで本研究では,VM の挙動に関する統計情報から指数平滑法を用いて VM の性能を予測し,最適な電圧と周波数を適用する DVFS 制御手法を提案する.本研究ではこれまでの筆者らの研究で行った評価に加えて,既存の DVFS 制御手法のエネルギー削減効果の評価と提案手法との比較,提案手法の VM の挙動予測の精度をより詳しく分析する.提案手法を KVM に実装し,DVFS 機能を搭載した AMD のマルチコア CPU 上で評価した結果,提案手法は最大で 33.4%の消費エネルギーを削減した.また,既存の DVFS 制御手法である cpufreq の ondemand governor と比較して,提案手法は CPU バウンドなベンチマークに対しては 10%以上多くのエネルギーを削減した.