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東京理科大学総合研究院「幾何学と様々な自然現象の解析懇談会」主催
ワークショップ「幾何学と様々な自然現象の解析」
日時:2021年3月12日(金)
場所:Zoom(オンライン開催)
終了しました
講演予定者(敬称略、五十音順)
- 石原 海(山口大学)
- 石渡 聡(山形大学)
- 中川 智之(東京理科大学)
- 安本 真士(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
タイトルとアブストラクト
- 石原 海「絡み目解消経路のトポロジーによる特徴付け」
アブストラクト:紐状のものが絡み合う現象は,自然界にも多く存在します。例えば,大腸菌のプラスミドなど環状のDNAが多数存在しますが,その複製の過程で2重螺旋構造ゆえ複雑な絡み合いが生じます。この絡み合いは複製の大きな障害になりえますが,酵素の働きによって絡み合いが解消され,環状のDNAも無事に複製されます。この絡み合いが段階的に解消される過程(絡み目解消経路)の特徴付けをトポロジーの視点で考えます。
- 石渡 聡「多様体の連結和上の熱の挙動」
アブストラクト:2つの空間をくっつけた空間(連結和)上の方程式の解はどうなるか」という問題は、非常に自然な問いである。本講演では最近明らかとなった連結和上の熱方程式の解の挙動について解説する。本講演は Bielefeld大学の Grigor'yan氏、Cornell大学のSaloff-Coste氏との共同研究に基づく。
- 中川 智之「正方分割表における非対称モデルの幾何構造について」
アブストラクト:分割表は医療や社会調査の分野など幅広く現れるカテゴリカルデータである. 同分類からなる2元分割表(正方分割表)の統計解析において, 対称性がしばしば重要とされる. Bowker(1948)は, 対称モデルを導入し, その検定を与えた. また対称モデルの拡張として, 周辺同等モデル(MH), 条件付き対称モデル(CS)や準対称モデル(QS)などが提案されている. 本発表では, 情報幾何学の観点からこれらの非対称モデルとの関係を再構築し, 対称モデルとその他のモデルの関係に幾何的な解釈を与える.
- 安本 真士「可積分変換による離散曲面の構成法」
アブストラクト:特定の曲率条件のもとでの曲面の微分幾何学の研究は,微分幾何学だけでなく様々な観点から研究がなされている.近年では,材料工学における物質のデザインや性質解析,さらには建築における意匠設計にも曲面の微分幾何学の研究が活用されており,研究の重要性がより一層高まっている.
本講演では,近年活発に研究がなされている曲面の離散微分幾何の研究の一端を紹介し,種々の離散曲面の構成法が離散オメガ曲面に対する変換によって得られるという,Mason Pember氏(トリノ工科大学),Denis Polly氏(ウィーン工科大学)との最近の共同研究を報告する.これは従来の結果を統一的に記述するだけでなく,新たな離散曲面の構成法を与えるものである.
タイムスケジュール
- 13:00-13:40 石渡 聡(山形大学)
- 13:50-14:30 石原 海(山口大学)
- 14:45-15:25 安本 真士(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
- 15:35-16:15 中川 智之(東京理科大学)
- 16:20-17:00 懇談会メンバーによる懇談(参加は懇談会メンバーのみ)
サポート
世話人
- 田中 真紀子(理工学部数学科、代表者)
- 小池 直之(理学部第一部数学科)
- 馬場 蔵人(理工学部数学科)
東京理科大学総合研究院懇談会「幾何学と様々な自然現象の解析」について
- 設置期間:2020年4月1日~2022年3月31日
- テーマ:幾何学をベースとした理学系諸分野との連携および工学系分野への応用
- メンバー:東京理科大学 理学部第一部・理学部第二部・理工学部所属教員 18名
- 東京理科大学総合研究院懇談会は、学内における部局や分野を越えた学際的な研究グループが、研究部門や連携研究プロジェクト等の形成の可能性を探るため、情報交換や研究構想等の検討を行うことを目的として設置されるものです。
管理人:馬場 蔵人 baba_kurando(at)ma.noda.tus.ac.jp