解= 一般解(補足解)+特殊解


解= 一般解(補足解)+特殊解であり、γ=0でない限り、1/γ程度より十分時間経てば一般解(補足解)の部分は、ほぼ ゼロになり、 特殊解の項のみが生き残り、物理的には「定常状態」に達する。この「定常状態」における振動は



で表される振幅の大きさ、位相の遅れを持ち、外力の角振動数ωと同じ角振動数で振動する。
γが有限の場合/ゼロの場合(減衰抵抗がある場合/ない場合)に別けて強制振動の解を調べてみよう

γが有限の場合(減衰抵抗がある場合の強制振動)


●1/γ程度より十分時間が経てば「定常状態」に達している。

●外力の角振動数ωが振動子の固有振動数ω0にほぼ等しいとき、振動の振幅が極大を示す。「共鳴(Resonance)」
(ただし、Light Damping  γ/ω0<1 に限ることに注意)


●同じ過渡現象を[変位 X]と[速度 V]からなる位相平面に描いてみると、初期条件によらず、1/γ程度より長い時間経てば「定常状態」に対応する楕円軌道に収斂していく様子が見える。

●この「定常状態」に対応する楕円軌道の大きさが「共鳴(Resonance)」を示す様子が見える。

●背面に描いている同心円は、復元力のみが質点に作用している自由な調和振動子の等エネルギー線であるが、「定常状態」に対応する楕円軌道の形が低周波(ω/ω0<1)領域では横長で、共鳴点で背面に描いている同心円に一致し、さらに高周波(ω/ω0>1)領域では縦長になっていることに注意しよう。これが、どのような物理的内容を表しているか考えてみよ(「3 定常状態におけるエネルギーの流れ」が参考になる」)。


●ω/ω0を固定しγ/ω0を変えた場合に、[変位 X]と[速度 V]からなる位相平面に描かれた「過渡現象」を眺めよう。γが小さい時には、位相平面上を何サイクルさまよっても、「定常状態」に対応する楕円軌道に収斂しないが、γが大きい時には、位相平面上を1サイクルも回らないうちに、「定常状態」に対応する楕円軌道に収斂する。一般に「???」サイクルすると「定常状態」に対応する楕円軌道に収斂すると言えるか?

●ここではω/ω0=0.4を選んである。どうしてか? 理由を考えてみよ。ヒントは「2 Stiffiness-Controlled, Resistance-Controlled, Mass-Controlled」を見て考えよ。






γがゼロの場合(減衰抵抗がない場合の強制振動)

速度に比例した減衰抵抗力の大きさを表すγがゼロの場合には強制振動は、上で述べた「過渡現象」とは異なる振る舞いをする。
γがゼロの場合には、十分時間経っても固有角振動数ω0で振動する一般解(補足解)の部分が消失せず、角振動数ωで振動する特殊解の項と「うなり」を生じることになる。

●同じ現象を[変位 X]と[速度 V]からなる位相平面に描いてみると、固有角振動数ω0で振動する一般解(補足解)の項と角振動数ωで振動する特殊解の項との「うなり」の様子が見える。