![]() |
●低周波条件(ω/ω0<< 1) 位相の遅れは〜0(外力と同位相)、変位の振幅は〜F0/mω02=F0/Kと漸近評価でき、変位はx(t)=F(t)/Kと書ける。この変位の表式は質量mも抵抗係数γも含まず、バネ定数Kのみで、その大きさが支配されているため、この力学状態を「バネ定数Kが運動を支配している」という意味で「Stiffiness-Controlled」であると呼ぶ。 物理的には、極めてゆっくりと外力を加えると(準静的)、加速度が小さいため慣性項は質量mの大小にかかわらず小さく、外力はバネ定数Kのバネの復元力とほぼバランスする。よって、外力と同位相であり、外力の角振動数ω依存性を持たないことが、理解できる。 ●高周波条件(ω/ω0>>1) 位相の遅れは〜π(外力と逆位相)、変位の振幅は〜F0/mω2と漸近評価でき、変位はx(t)=-F(t)/mω2と書ける。この変位の表式はバネ定数Kも抵抗係数γも含まず、質量mのみで、その大きさが支配されているため、この力学状態を「質量mが運動を支配している」という意味で「 Mass-Controlled」であると呼ぶ。 物理的には、極めて速く外力を加えると、加速度が大きいためバネの復元力は無視でき、外力は慣性力とほぼバランスする。それゆえ、支配的になる慣性項の大きさを定める質量mの大小および外力の角振動数ωが変位の表式に現れる。この運動は自由粒子に外力が作用した場合と同等であり、外力と逆位相であることも理解できる。 ●共鳴条件(ω/ω0=1) 位相の遅れは〜π/2(外力は速度と同位相)、変位の振幅は〜F0/2mγω0と漸近評価でき、この変位の表式は抵抗力に見られる速度に比例する係数「2mγ」のみによって、その大きさが支配されているため、この力学状態を「抵抗が運動を支配している」という意味で「Resistance-Controlled」であると呼ぶ。 物理的な説明は各自試みてみよ。複素平面上でのつり合いに注意すると、外力〜抵抗力、復元力〜慣性力の独立したバランスが見て取れる。 復元力〜慣性力のバランスは自由な調和振動子で起こっていることである。(「3 定常状態におけるエネルギーの流れ」では共鳴状態では、あたかも自由な調和振動子のように運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの平均値が等しいことを見る) |