8.まとめ


 ここでは、今までの議論をまとめる。

 第2節では、ヘルムホルツの定理から数学的に正しくても物理的には正しい表現をしてないことがあり注意が必要なこと。さらに、電荷密度や電流が時間的に変化する場合には遅延を考慮しなければならないことが分かった。
 第3節では、Jefimenko方程式の導出について述べた。それにより、磁場のsourceが真電流であり、変位電流はsourceではないことが明らかになった。
 第4節では、Jefimenko方程式を利用することによって階層化の表をつくり、Biot-Savartの法則の適用範囲(Semistaticまで)が明らかになった。
 第5節では、同じく階層化の表を用いつつ、Biot-Savartの法則からAmpere-Maxwellの法則が導けないことが示された。
 第6節では、一般化されたBiot-Savartの法則とAmpere-Maxwellの法則の差異を検討した結果、変位電流の役割が真電流の代理であることが分かった。
 第7節では、階層化の表を用い、Biot-Savartの法則に変位電流の項を厳密には入れるべきではあるがその式の有用性は乏しいことが分かった。


Topにもどる