電荷の不変性
●ここで扱う「電荷の不変性」とは、連続の方程式(p.214)のところで見たような不変性ではなく「電荷が動いても変わらない(Qは動いてもQ)」という不変性です。それとは対照的に、質量は動くと変化するように見えますから、ある系から見て質量M、電荷Qの粒子がその系に対して動けば電荷はQのままですが質量はM'に変化します。
これには、様々な原子・分子で(陽子、中性子、電子の運動の様子が異なっているにもかかわらず)電気的に中性であるという実験的な証拠があります。
・孤立金属コンテナにガスを入れ、その流出によってコンテナの電位に変化が現れるかを見る方法*1
・原子ビームから出たビームが電場によって曲げられるかを見る方法*2
ちなみに、このことをさらに深く理解するために、動く点電荷のつくる電場(TEXT p.528)の例でガウスの法則が成り立っていることを確認してみるといいでしょう(TEXT p.533 Prob. 12.43)
*1:J.G.King Phys.Rev.Lett. vol.5 No.12 (pp.562-565)
*2:H.F.Dylla and J.G.King Phys.Rev.A vol.7 No.4 (pp.1224-1229)
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