2023年度から改修を行い物理学実験2に最適化させました

東京理科大学 理学部第1部 物理学科 満田研究室

開発の歩み

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モルモッターズ①組(2022-10-25 記念撮影)
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モルモッターズ②組+③組 (2022-11-29記念撮影)
物理学実験2に移設する際に、課題(内容・量)を適切に再設計するためには、意欲のある元気な学生の言わば「臨床試験」が不可欠で、それに協力してくれる人(モルモッターズ)が必要でした。2022年度の物理学実験2の受講者の学生さんたちに声をかけて、4組のモルモッターズ①〜④に協力して頂きました。(④組は記念撮影を逃してしまい申し訳ない)


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2022年度 卒業研究「教育工学に基づく力学振動子の共鳴実験の再設計」
 本研究は、多くの方々からの協力を頂き完成させることが出来ました。Labviewの技術指導をしてくださった内原さん。改修内容の着想に欠かせなかった被験者学生(モルモッターズ)の方々。そして、改修構想を共に議論し、教育効果の探求について数多くの助言をくださった満田先生。誠にありがとうございました。
 この実験題目を改修する上で一番苦労したことは、次々に出てくる改修案をどのように実験へと落とし込むかを考えることでした。例えば、この改修の大枠である改修の一つ、「対象学年の変更」では、過去の実験から削る物理と新たに加える物理のバランスを考え、テキストの刷新は勿論、測定に使うLabviewアプリのプログラム書き換えや、新規教育ツールとしてのMathematicaアプリによる補助など、多くの技術的な課題が浮上しました。また、これらの課題をこなす内に新たな課題や問題点が発生したり、課題同士が相互に関係して問題の多岐化を招くこともありました。改修というものは際限のないもので、ブラッシュアップは卒研発表直前まで続きました(発表後にも続きましたが)
 この研究は「学生がより効果的に実験を行えるようにする」ものであり、今回がそうであるように、時代と技術の拡張と共に改善点はこれからも出ることかと思います。私はこの研究を通して、時代の潮流に伴い複雑化する技術の活用と、細分化した問題への対処を経験し、それを運用して力学振動子という形にすることで総括的な学びを行えました。困難も多い研究でしたが、この研究を行えたことは貴重な経験となりました。

東京理科大学理学部第一部物理学科 
2022年度 満田研究室卒研生
澤田 大地 20233月末


この実験題目は、大学の物理教育2000 1 p. 22-25 :「力学振動子の共鳴実験 -学生物理実験におけるコンピュータ支援」に記載されているように、「学生物理学実験における情報処理手段の活用」という文脈に沿って行われた改革の中で、当時担当していた「物理学(振動・波動)」の授業で「学生が強制振動における微分方程式の解法等にとらわれて、現象自身のイメージが不足していること」に不満を持ち、20年以上前に導入したものです。長らく物理学実験3の題目として用いてきましたが、2023年度から物理学実験2に移行し、(パラメタ共鳴・非線形共鳴振動の課題を取り去り)、共鳴曲線の測定振動数領域を拡大し、減衰振動のフーリエ変換と比較させるなど、測定系ならびに実験テキストを全面的に改修し物理学科2年生のカリキュラムに最適化することを2022年度の卒業研究生の澤田くんに「教育工学に基づく力学振動子の共鳴実験の再設計」として担当して頂きました。
改めて、本課題の再設計に協力してくれたモルモッターズのみなさん、計測データ取り込みのためのLabViewまわりの技術アドバイザーを担ってくれたM2の内原くん、卒業研究として全力で取り組んでくれた澤田くんに感謝します。

2023年5月 満田
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