2.5 フェリ磁性体の逆空間

フェリ磁性体の基底状態の磁気配列に対する逆格子点を確認する。 unit cellを図のようにとり格子並進ベクトルを、その逆格子ベクトルを、格子間隔はdとする。


fig.2.13 フェリ磁性体の逆空間

逆格子ベクトルは


unit cell内のスピンはS(0,0)=2,S(1,0)=-1,S(0,1)=-1,S(1,1)=2より

逆格子点はM(0,0)=2,M(1/2,0)=0,M(1/2,1/2)=6,M(0,1)=2と繰り返されていく

この逆空間の温度変化を実空間の像であるspin mapと並べて示す。

fig.2.14 の温度変化

N型
(Jaa=1.0 Jbb=6.0 Jab=-0.05 L=20 discard1=3000 discard2=800 mcs=300)

P型
(Jaa=1.0 Jbb=2.0 Jab=-0.05 L=20 discard1=3000 discard2=800 mcs=300)

P,N型いずれもピークはQ= (1/2,1/2)とQ=(0,0)のところに現れる。適切なlong range orderはQ= (1/2,1/2)の場合のM(Q)であり、M(1/2,1/2)の温度依存性にはN,P,R のような特徴的な曲線はない。

fig.2.15 の比較