(1) 『予習/復習のためのwebテキスト』

 学生実験課題『音声分析( フーリエ解析の定性的理解のために)』では実験装置の取り扱いを記録した動画からなるメディアリッチなVOD(Video on Demand)形式ののテキスト(以下VODテキストと呼びます)を用います。この『VODテキスト』自身はそのサイズが数Gバイトの大きさを持つパワーポイント(PPT)ファイルであるため、学生実験室内の『音声分析』の実験装置に付属するVODテキスト閲覧用PC(Apple iMac)に格納され、現時点ではそれ自身をwebベースで実験室の外から閲覧することはできません。しかしながら、予習/復習のために、『VODテキスト』から『実験装置の取り扱いを記録した動画』を取り除き、webベースで実験室の外から閲覧できるように再構成した『予習/復習のためのwebテキスト』をここに準備していますので、実験前に実験課題の概要が知りたい場合/実験中に取り組んだ設問をもう一度確認したい場合に活用してください。

 この『予習/復習のためのwebテキスト』を活用し実験室での2週にわたる実験を有効に進めてください。この実験課題では『理解することなくデータだけを取って、あとで解析すれば良い!』は通用しないはずです。


(2) 『実験装置の取り扱いを記録した動画』のexampleのストリーミング配信

『VODテキスト』から取り除かれた『実験装置の取り扱いを記録した動画』の例として、二つをストリーミング配信で見えるようにしてあります。画像をダブルクリックしてください(QuickTimeがインストールされている必要があります)


QuickTimeの「トランスポートプロトコル(HTTP(UDPではありません) のポート554を指定)」の設定については以下の設定メモを参照してください。


(3) 『SoundCreator』

実験課題のなかで用いるフーリエ合成(音の合成)を行うためのJavaアプレットです。 これを使って、実際に sin, cos で表される波や、三角波、矩形波を合成して音を作ってみましょう。 "PLAY"ボタンを押すと、作成した音が鳴ります。( Osamu Koizumiの作品です。以下の『 FourierAnalysis  講義実験番外編(フーリエ解析で眺める「音」)Dec. 11 2003)』を参照してください)

(4) 開発のあゆみ

私は卒業研究の一つとして、物理学科2年生の物理学実験の課題「音声分析」の改良を試みました。「音声分析」はフーリエ解析という物理を学ぶ上では重要な数学を目で見ることができる実験課題です。今回、私は大きく分けて2つのポイントを考え改良を行いました。
まず、実験というのは本来、講義を聞いた上でその内容をもとにしながら行うのが非常に効果的です。しかし、今回は講義を聞いていない学生にも効果的な実験にするために、発見学的な実験を目指しました。発見学的な実験というのは、実験で目で見た事実をもとにして、その数学の必要性などを理解していくということです。このような実験にすることによって、フーリエ解析をゼロから理解できるのではないかと考えました。そして、現在のIT技術の進歩にともなった実験を目指しました。実験はすべてPCをベースにして行いました。またテキストは従来の紙のテキストをなくすことを考えました。紙のテキストを読んだだけでは、実験方法などが伝わりにくいため、実験方法の部分を動画で説明するVOD型テキストを導入し、実験の際にはモニターで動画を見ながら実験を進めていけるようにしました。これらの改良によって、物理学科の学生が効果的にフーリエ解析を理解できたら良いと思います。
最後になりましたが、根気強く指導にあたって下さった満田節生先生、ソフトの開発をしてくれた小泉修氏、実験装置などのことでサポートしてくれた橋本直哉氏に感謝します。

東京理科大学理学部第一部物理学科4年満田研究室
児玉綾子(こだまあやこ)



『音声分析』は現在を遡ること約15年以上前に、既に退官された鈴木 清光 先生により、当時PCの出始めであったNEC pc9801にカノープスのAD & FFTボードを用いてデザインされた実験課題でした。しかしながらPCおよび音声取り込みの周辺機器の老朽化が激しく、2003年の前期には、ほぼ学生実験機材としての機能を失いつつある状態でした。2003年度の満田研 卒業研究生の児玉綾子さんに、卒業研究課題『教育工学的視点から見た学生実験課題/サイエンス夢工房/講義実験(フーリエ解析の定性的な理解のための「音声分析」実験開発)の一環として、旧 『音声分析』にあった『フーリエ変換の内容を音を用いて体感する』精神を引き継ぎ、新たに最新のPC(Apple iMac)を投入し、実験課題を一新して頂きました。
児玉綾子さんには、『学生実験課題』だけでなく、そこで導入した機材を生かし『サイエンス夢工房』、『講義実験』( FourierAnalysis  講義実験番外編(フーリエ解析で眺める「音」)Dec. 11 2003)にわたり全力投球していただきました。
児玉綾子さんに感謝します。
これらのマテリアルが物理学科の後進の学生のみなさんに長く活用されることを願っています。

                           2004年3月 物理 満田 
 


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