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待ち行列理論と応用確率過程論を主に研究しています.待ち行列モデルの点過程を用いたモデル化とその応用(近似,確率的比較,特徴付け)を率保存則を道具として研究してきましたが,1990年頃より待ち行列ネットワークの研究を始めました.ネットワーク全体の状態の定常結合分布に興味を持っています.初期の研究では,積形式定常分布をもつモデルの特徴付けと線型トラヒックネットワークモデルの特徴付けを行いました.その後,流体モデルに関連して,Wiener-Hopf分解を使って反射型マルコフ加法過程の漸近特性を研究してきました.その後,反射壁をもつ2次元ランダムウォークの定常分布の漸近特性を求め,各種の待ち待ち行列ネットワークに応用してきました.
現在は,マルチンゲールを用いて確率ネットワークの漸近特性を研究中です.ここに,確率ネットワークとは,待ち行列ネットワーク,反射壁をもつ多次元ランダムウォークなど,状態が多次元非負値である確率過程のの総称です.漸近特性の中でも,定常分布の裾の減少率と重負荷時における待ち行列モデルの拡散近似を,モデルパラメータを使って表す研究を進めています.これらの結果を,最短の行列を選ぶモデル,サーバーが協力するネットワーク待ち行列など具体的なモデルへ応用しました.優先権のあるネットワークモデルへの応用を現在研究中です.多次元確率過程は2次元までは研究が進んでいますが,3次元以上には大きな壁があります.この壁への挑戦を続けています.
東京工業大学大学院博士課程修了・理学博士. 東京理科大学講師を経て1989年より教授,2012年4月より嘱託教授,2013年4月 同名誉教授. 香港中文大学・深セン 特任教授(2019年1月より2013年12月まで)
改訂, 2024年2月12日 |
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