VISION

光合成という宿命をもつ植物は、光合成を最適化するための成長調節様式を進化の過程で獲得してきました。その仕組みを理解することは、地球規模の諸問題の解決に大きく貢献します。単一の共通祖先から進化した陸上植物は、遺伝子セットや機能制御機構を共有しています。本研究室では、維管束植物とは独立に進化したコケ植物に属し、モデル生物でもあるゼニゴケを主に用いて、遺伝子改変技術やオミクス解析を駆使しながら、光合成と調和した成長や発生の調節機構を解き明かす研究を行っています。

GROWTH COORDINATION WITH PHOTOSYNTHESIS

植物は光合成により作り出した産物を自身の成長に用いています。そのため、常に光合成の状態を把握して、光合成を最適化するように成長や代謝を光合成活性に調和させています。また光情報そのものも植物の成長や発生の調節において重要な意味をもっています。私たちはゼニゴケが光合成や光の情報をどのように処理し、成長や代謝を調節しているのかについて調べることで、植物の根源的な成長調節の共通原理を理解することを目指して研究を行っています。

APICAL STEM CELL SUSTAINING APICAL GROWTH

陸上植物の成長や発生の基盤となる頂端成長を担う幹細胞は、発生過程において規定されます。動物では受精卵が最も高い分化能をもった幹細胞と位置付けられていますが、発生の過程で幹細胞の分化能は次第に限定されていきます。植物の頂端幹細胞が規定される仕組みはよくわかっていません。私たちはゼニゴケにおける幹細胞の規定が、どのような遺伝子制御ネットワークにより起こるのかについて解明したいと思っています。エピジェネティック情報やクロマチン状態の解析、また1細胞解析によって幹細胞の性質を明らかにする研究も進めています。

PROFILE