第一回 坊っちゃん賞
(左から、小島氏、柴崎氏、秋山氏、島崎氏)
(以下、りだいサロン 21号(1999.7)より転載)
「坊っちゃん賞」を創設
理窓博士会(DR会)は物理学校・理科大学卒業者で学位取得者数が二千名を超えたのを記念し、今年から「坊っちゃん賞」を創設することになりました。この賞は、大学・企業等の研究者や高校・大学教員を対象に、学位の有無を問わず、理科大の名声に多大に寄与した同窓に贈るもので、毎月の例会をもって推薦選考委員会とし、初めてである第一回の受賞者は五名とし次の方々が選ばれた。七月十七日の学位祝賀会で表彰・披露がおこなわれる。
・後藤道夫氏 (27物、元高校教諭、明治大非常勤講師。科学の普及および実践活動)
・小島保彦氏 (30化、元東大伝染病研究所。インターフェロン活性物質の発見分離)
・柴崎一郎氏 (41物、旭化成KK主事。原子科学の研究で大河内賞を受賞)
・秋山 仁氏 (44応数、東海大学教授。数多い数学教育への寄与)
・島崎弘幸氏 (47化、帝京大医学部助教授。油化学・老化と脂質栄養学への寄与)
(以下、りだいサロン 22号(2000.1)より転載(桃沢信幸・昭和42応物による))
第一回 坊っちゃん賞受賞者
前号りだいサロンで報じられたとおり、科学の発展と普及に貢献した同窓を表彰する目的で、このたび「坊っちゃん賞」が創設されました。この賞は博士会月例会で提案されたもので、第一回受賞者として次の五名の方が選出(選考委員長・樽谷修理工学部教授・昭和32年化)されました。
後藤道夫 (昭27物)
小島保彦 (昭30化)
柴崎一郎 (昭41物)
秋山 仁 (昭44応数)
島崎弘幸 (昭47化)
表彰は7月17日開催された学位取得者祝賀会の席上で行われ、慶伊博士会会長より各氏に、記念の盾が授与されました。また、受賞者を代表して小島氏が、謝辞を述べられました。樽谷選考委員長より発表された各氏の業績は、以下のとおりです。
後藤道夫氏 1992年東京、大阪、名古屋で「青少年のための科学の祭典」を開催、第四回まで実行委員長を務める。同祭典には数十万人の子供と父母が参加。ヨーロッパ博物館ツアー、世界科学教育会議と博物館ツアー実行委員長。昨年「子供にウケる科学手品77」出版。東レ理科教育賞、読売教育賞受賞。元明治大学非常勤講師。
小島保彦氏 天然痘不活性ワクチンの研究過程で、インターフェロンを世界で最初に発見した。研究成果を1954年、日本ウィルス学会総会において長野・小島の連名で口頭発表、次いで1955年学会誌VIRUSに「不活性牛痘ウイルスの発癌阻止作用」と題して、学会当日の論旨と討論が掲載される。宮川賞受賞。元北里研究所部長。理博。
柴崎一郎氏 真空蒸着法を用いて開発した「高感度InSbホール素子」は世界で最も多く生産され、マーケットシェアは70%を超える。同素子はVTRの精密駆動、フロッピーデスク等ブラシレスモーター用センサーに応用される。大河内賞、発明協会奨励賞、科学技術功労者賞受賞。現在、旭化成工業(株)リサーチフェロー。理博。
秋山 仁氏 グラフ理論の分野で、日本の研究水準を世界屈指の域まで引き上げた。また、マスコミ、書籍、講演などを通じて数学啓発活動を活発に行い、人々に数学の魅力を伝えた。数学オリンピック財団の創立に参画し、若い頭脳の発掘と育成に尽力。北京大会、スウェーデン大会の日本選手団長を務める。現在、東海大学教授。理博。
島崎弘幸氏 肥満になりにくい食用油「ジアシルグリセロール」を開発し、厚生省特定保健用食品の認定を受ける。その他、油脂に関する医学的な研究業績および著書多数。日本油化学会エディター賞、(財)油脂工業会最優秀油脂技術論文賞受賞。現在、日本油化学会誌編集委員長、東京理科大学非常勤講師、帝京大学助教授。理博。
備考: