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第二回 坊っちゃん賞


(左から、鈴木氏、武田氏、大村氏)

今年の受賞者
 理窓博士会(DR会)は、今年の坊っちゃん賞受賞者として次の3氏を決定し、7月15日開催しました。

(以下、SUT BULLETIN10月号(2000.10)(桃沢信幸/理工学部教授 記)より転載)

「坊っちゃん賞」報告

(1)今年の受賞者
 理窓博士会(DR会)は,今年の坊っちゃん賞受賞者として次の3氏を決定し,7月15日開催された学位新取得者祝賀会の席上で,表彰と披露をおこなった。

   大村 智(昭和38年理学研究科修士課程修了)
   武田一美(昭和32年理学部化学科卒業)
   鈴木隆雄(昭和36年理学部物理学科卒業)

 各氏には,内田岱二郎博士会長より記念の楯が授与され,また受賞者を代表して武田氏が,謝辞を述べた。

 大村智氏 微生物代謝産物研究に関する世界的な権威。エバーメクチン,スタウロスポリン,ラクタシスチンを始め320余種の新規化合物を発見。それらの中には医薬,動物薬,農業用,生化学研究用試薬として使用されるものが多い。米国微生物学会ヘキスト・ルセル賞,日本学士院賞ほか受賞多数。北里研究所長。理博・薬博。


(写真は大村氏)


 武田一美氏 東京都教育研究所主任指導主事あるいは小学校長として,長年にわたり化学教育に尽力し,教材開発研究,研修会等を実践した。実験と化学大事典(東京書籍),実験によって知る物質の性質(講談社),おもしろい化学の実験(東洋館出版社)編著。日本化学会「化学と教育」編集委員,化学教育有効賞受賞。

 鈴木隆雄氏 日本における声紋研究の先駆者。昭和38年3月東京下谷で発生した「吉展ちゃん誘拐事件」捜査の際,警察に初めて声紋技術を導入した。以後,北海道庁警察本部爆破事件,元判事補ニセ電話事件,グリコ・森永事件,甲府信金女子職員誘拐事件など,約370件について音声鑑定を行った。元科学警察研究所副所長。

(2)坊っちゃん賞とは
 坊っちゃん賞は,物理学校・東京理科大学卒業者の学位取得者数が2000名を超えたことを記念して昨年,理窓博士会(DR会)によって創設された。この賞は,科学の発展と普及に貢献した同窓に贈られるもので,毎月の博士会例会を推薦選考委員会とし,幹事の投票によって決定される。受賞者の学位の有無は問わない。昨年第1回の受賞者として,次の5氏が選ばれた(敬称略)。後藤道夫(昭和27年物理,青少年のための科学の祭典主宰)。小島保彦(昭和30年化学,インターフェロンの発見)。柴崎一郎(昭和41年物理,高感度InSbホール素子の開発)。秋山仁(昭和44年応数,数学の啓発活動,グラフ理論の権威)。島崎弘幸(昭和47年化学,ジアシルグリセロールの開発)。

 本稿を書くにあたり,博士会のホームページ(http://mat1prof.ma.kagu.sut.ac.jp/~risoudr/)を参照した。(桃沢信幸/理工学部教授)

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