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Experiment

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このページでは、測定のフェーズにおいて私たちが普段どのような活動しているのかを紹介します。
まず、私たちが実験するうえで欠かせないのはHPのトップイメージにもあるように希釈冷凍機です。

fridge

量子コンピューターが話題になると必ずといってよいほどに希釈冷凍機の写真は引用されるため、皆さんも目にしたことがあるかと思います。
私たちが実験で使用しているものはBlueFors社のLD250とLD400で、10mKまで冷却可能な冷凍性能を持っています。この冷凍機を理科大に2台、理研に1台配備し、チームメンバーで共有して実験を行っています。
極低温下での実験であるため、測定に必要となる部品や素子も実験に適したものが必要となります。この測定部品を設計することも私たち学生が取り組むことの一つです。
例えば、サンプルを搭載するPCB(下図)は修士1年生の佐藤が設計を担当し、同じく修士1年生の吉田が電磁界シミュレーションをして、開発を進めています。

PCB

現在研究室で用いているPCBは8ポートのものですが、私たちは現在20ポートにするために開発を進めています。ポート数が増えることにより大規模なシステムの構築が可能となり、研究の幅が広がります。予期しない固有モードの発生を抑えることで測定の精度向上につながることが期待されています。
実験では以上のような自作の部品を冷凍機に搭載し、マイクロ波を操作することでサンプルの測定をします。測定装置を駆動するためのスクリプト構築も実験するうえで欠かせないフェーズです。
実験スクリプトは基本的にpythonを用いて記述しています。(これは余談になりますが、pythonにはQuTipという理研が中心となって開発した量子計算ライブラリがあります。研究室内でもこのライブラリを用いた数値計算を行っている人も多く、pythonコードには自然に親しむこととなると思います。)
実際にどのようなスクリプトを記述するのか、もう少し踏み込んで説明したいと思います。
そもそも、量子ビットを操作するためにはどういう操作をしてやれば、よいのでしょうか?
量子ビットの状態はベクトルで表現されます。スピン系をイメージするとよりわかりやすいでしょう。上向きスピンを0と表現すれば下向きのスピンは1と表現することができます。

ブロッホ球 量子ビットをブロッホ球上で操作することは量子ビットのベクトルに行列を演算することと同義です。量子計算を行うというのは量子ビットにひたすら行列演算を施していくこと他なりません。 この行列演算を施す手法として私たちはマイクロ波を用いています。しかし、現実の系ではどうしてもマイクロ波とともにある程度のエラーが乗ってしまいます。小さなエラーも量子計算を何度も施していく過程で、大きな誤差へとつながります。 つまり、私たちが量子ビットを操作する際に、どの程度のエラーが乗っているのかを評価をできなければ量子ビットの精度を向上させることはできません。その解析方法がQPT(Quantum Process Tomography)やRB(Randomized Benchmarking)と呼ばれる解析方法です。学部4年の渡辺はこの評価方法を確立する研究を行っており、実際にpython言語を用いて、この解析方法を実験に取り入れるスクリプトを構築しています。

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