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Fabrication

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このページでは、主にサンプル作成についてその概要を紹介していきます。まずは、トップ画像についてです。これはPCB(Printed Circuit Board)にサンプルをボンディング(接着)しているところ撮影したものです。顕微鏡を覗き込みながら(筆者はとてもこれが苦手です)髪の毛よりも細いAlの細線を基板とPCBの間に接着することで基板のグラウンド、及び伝送線路を確保します。
bonding
私たちは基本的に以下のサイクルで研究を進めていきます。
①文献調査

②数値計算

③設計

④サンプル作成

⑤実験

⑥解析
このサイクルはどの研究室においてもほぼ同じようなものであると思います。それぞれについてもう少し説明します。
まずは、①文献調査です。ここで各自が行ってる研究と先行研究とを照らし合わせながら情報を得ていきます。
自分の作成するサンプルについて情報を得たのちは②数値計算を用いて必要なパラメータを算出します。
サンプル作成に必要なパラメーターを得るために、シミュレーションの精度を上げることも重要なステップです。
その後に③CADソフトを用いて設計図を書き出します。この際、電磁界シミュレーションを行います。私たちが作成するサンプルには共振器が付属していることがほとんどです。この工程で、自分たちが設計した回路をシミュレーションとしてどのような特性を持っているのかを確認し、細部を調整していきます。
ここまでがサンプル設計のフェーズにあたります。この後は理研のクリーンルーム内にある装置を用いて実際に④サンプル製作をしていきます。
サンプル作成の工程は以下3つに大別されます。
(A) 第一次電子線描画
(B) 第二次電子線描画
(C) Al真空蒸着
(A)の工程でSi基板上にスパッタリングされたNbに溝を掘ります。この溝に囲まれた部分が共振器や基板上のグラウンドとなります。その後は(B)で蒸着するためのマスクを作成し、(C)の工程で、作成したマスク越しにAlをサンプル上に真空蒸着していきます。Alの蒸着には2重角度蒸着法という成膜方法を用います。
2重角度蒸着
上図は蒸着時のサンプルの微細ジョセフソントンネル接合模式断面図です。(a),(b),(c),(d)という過程で蒸着していきます。まず(a)により、一方向目のAl蒸着をし、(b)で前工程において蒸着したAlを酸化させます。この酸化膜が絶縁体として働くことでジョセフソン接合を作成します。工程(c)において2方向目からの蒸着をすれば、(d)のように接合を形成することができます。
(e)を見てください。これは、上記の工程で作成した磁束量子ビットです。青のラインと緑のラインを辿っていくと途中でオーバーラップしている箇所が見受けられます。この部分がジョセフソン接合にあたります。
接合ができた後はコーティングをはがし、トップ画像のようにボンディング工程に移ります。大まかな作成工程は以上のようになります。
ここで製作したサンプルの電子顕微鏡写真を見てみましょう。
磁束量子ビット
模式図(e)のように3つのジョセフソン接合形成されていることが確認できると思います。
ここまでが私たちのサンプル作成の工程の概要説明です。この次は測定のフェーズにはいります。

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