数学,特に力学系理論の応用に興味を持っています.主な研究対象は, 流体力学(安定性,乱流,混合)と情報科学(機械学習,乱数生成)に現れる非線形問題です. 最近は,情報科学の手法を流体力学の問題に応用することにも取り組んでいます. ✎学生さん向け研究紹介はこちら.
ナヴィエ-ストークス方程式に従う流体の運動を力学系理論の観点から調べています. 特に2次元のコルモゴロフ流れ,3次元のクエット流れ,周期箱乱流に対して,主にリヤプノフ解析を用いて調べています (図はコルモゴロフ流れの共変リヤプノフベクトル).力学系の双曲性と流体運動の関係,乱流の普遍性と 軌道不安定性の関係に興味を持っています.
リザバーコンピューティング(Reservoir Computing, RC)という機械学習法の研究を行っています. RCは学習パラメタに関する線形モデルで⼊出⼒時系列間の⾮線形関係を近似する手法です. 力学系理論の観点からその数理的性質(詳しくはこちら)を調べています. また力学系の性質を利用した少量データでの学習法(転移学習)を提案しています.
流体混合は工学的に重要ですが,効率の良い混合法を獲得するためには,時間大域的な最適化問題を扱う必要があり容易ではありません.そこで,時間大域的な最適化問題に適した機械学習法である強化学習に着目し, 流体混合の最適化問題へ応用しています. 移流拡散方程式に従う濃度場の混合問題では,深層強化学習が有効であることを示しています.
✏学生さん向け研究紹介
力学系理論は「力学」とついているので物理の理論と思われがちですが,
数理モデル(微分方程式等)を研究する数学の一分野です.特に,非線形な数理モデルでは(モデルに確率的な要素がなくても)
カオスと呼ばれる一見ランダムな現象が起こります.力学系理論を応用して,非線形現象を理解・予測・制御するための研究を行っています.
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