2025
第1回TUS 幾何学&自然科学セミナー
講演者: 櫻井雅之 (東京理科大学大学院生命科学研究科・准教授)
講演タイトル: かたちから生命を読む:核酸構造の生物学
開催日時: 2025年6月14日(土), 16:00〜17:00
開催場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス(2号館2階222教室)
講演概要:
.DNAやRNAは、ただの塩基配列ではなく、化学構造と立体的な「かたち」によって機能する分子です。本講演では、tRNAをはじめとするRNA分子の構造とその機能の関係に注目し、「かたちの補完性」が生物の柔軟性を支えていることを紹介します。さらに、RNA編集(A-to-I変換)がどのようにRNA構造に依存して起こるかを示し、細胞が構造のゆがみをどのように認識し、修正するかを考察します。RNA編集の検出や誘導に関する最新技術も紹介し、「かたちを読む」ことから見えてくる新たな生命理解の可能性について議論します。
第2回TUS 幾何学&自然科学セミナー
講演者: 佐古彰史 (東京理科大学大学理学部第二部数学科・教授)
講演タイトル: Lie-Poisson代数の量子化(行列正則化)とIKKT行列模型
開催日時: 2025年7月19日(土), 16:00〜17:00
開催場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス(2号館2階222教室)
講演概要:
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第3回TUS 幾何学&自然科学セミナー
講演者: 山中晃徳 (東京農工大学大学院工学研究院・教授)
講演タイトル: フェーズフィールド法による材料組織形成シミュレーション
とデータ同化によるその場観察との融合
開催日時: 2025年7月26日(土), 16:00〜17:00
開催場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス(2号館2階222教室)
講演概要:フェーズフィールド法は、結晶粒成長や粒界移動の数理モデリング、数値シミュレーション方法として有効である。しかしながら、フェーズフィールドモデルに含まれるパラメータを正確に同定しなければ、実験結果の再現や高精度予測にはつながらない。本講演では、ベイズの定理に基づくデータ同化により、結晶粒成長や固相焼結の実験的その場観察データとフェーズフィールドシミュレーションを融合することで、各種パラメータの推定や材料組織形成の高精度予測に繋がった研究事例を紹介する。
第4回TUS 幾何学&自然科学セミナー
講演者: 水野将司 (日本大学理工学部・准教授)
講演タイトル: 結晶方位差と三重点によってエネルギーが散逸する
結晶成長の数学モデル
開催日時: 2025年10月4日(土), 16:00〜17:00
開催場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス(2号館2階222教室)
講演概要: Mullinsによって提案された結晶成長の数学モデルである,平均曲率流,曲線短縮流はその後の数学解析に大きな影響を与えてきた.これらのモデルは,主に結晶粒界の曲率が結晶粒界の運動に寄与すると仮定している.しかし,結晶粒界は,それを構成する結晶の方位差(結晶方位差)に起因するものである.結晶粒界の運動がエネルギーの変化によって起こるのであれば,結晶方位差が結晶成長に影響を与えると考えることが自然である.
本講演では,この物理的背景に立ち返り,結晶粒界エネルギーの散逸則の観点から結晶方位差と三重点がエネルギー散逸に寄与する結晶成長の数学モデルを導出する.そして,多結晶体の運動における結晶粒界の消滅などのトポロジカルな変化をBrown運動でモデル化し,確率微分方程式を導出する.そして,その確率微分方程式におけるエネルギー消散,Brown運動との関係である揺動散逸関係について述べる.
組織委員:小池直之,田中真紀子,廣瀬進,佐古彰史,鈴木克彦,二国徹郎,
田所誠,大坪主弥,荻原慎二,高橋昭如,櫻井雅之,大橋久範,
馬場蔵人,山川大亮,新田泰文,大山口菜都美,梶ヶ谷徹,藤井知輝,
木村直記,下川航也,井上和俊,塚本孝政