現代ドイツの哲学者ハンス=ゲオルク・ガダマーの解釈学についてしばしば発される疑問や嫌疑に対して、ガダマーを擁護する立場で答えることで、ガダマー解釈学の理解へと導く入門書。ガダマーの概念の外観やテクストの局所的な議論にとらわれることがない深い理解に基づくだけでなく、ガダマーの伝承論の文明論的な展開など、ガダマー解釈学を展開しようと試みる。
まえがき
1.ガダマーの伝統的解釈学批判は誤っているのか?
2.歴史的な存在者には過去の理解は不可能なのか?
3.先入見はテクストの意味への接近を閉ざしてしまわないのか?
4.現在の地平しかないのに地平融合とは何を意味するのか?
5.なぜテクストの意味は著者の意図を超えるのか?
6.ガダマーは解釈の相対主義に陥っているのか?
7.了解に共通性は必要なのか?
8.テクストは自ら語るか?
9.ガダマーはヨーロッパ中心主義者か?
あとがき