磁性体実験(VSM編)開発の歩み


理学部物理教室の推進プロジェクト“学生物理実験における情報処理手段の活用”に沿って、従来の「弾動検流計を用いた磁性体実験課題」と相補的に、測定原理の理解よりは磁性体の磁化測定が短時間で可能なVSM磁化測定装置(Vibrating - Sample Magnetometer)を用いて、限られた学生実験の中で、磁性体の示す現象を出来るだけ多く体感できることを目的として、99年度満田研究室卒業研究生の松林 美穂さん、栗林 雅志くんの卒業研究の一部として本課題「磁性体実験(VSM編)」を導入して頂いた。  

 

実験内容はテキストにあるように

(1) 稀土類金属Dyの磁化測定:磁化の温度変化から見いだせる逐次相転移(強磁性→らせん磁性→常磁性)と77K&室温における磁化曲線を見て、各相の磁性の特徴をつかむ。また、形状の違う試料を用いて、反磁場の影響を見る。 

(2)3B超伝導体実験において作成されたYBa2Cu3O7超伝導体試料の磁化測定: 77K&室温における磁化曲線を描き、常伝導相(室温)と超伝導相(77K)における磁性の違いについて体感する。又、ゼロ磁場coolおよび磁場coolで磁化の温度変化を測定し、マイスナー効果を体感する。

   

VSM磁化測定装置は学生実験用としては少々高価な装置ではあるが、満田研究室所有のほぼ現役引退しかかっていたVSM磁化測定装置を再利用し、学生実験室での設置条件のため感度、外磁場強度などをかなり犠牲にしてても、第3学生実験室に移設した。 99年度夏休みに移設を完了し、99年度後期の学生実験の授業のなかで、この新課題を試しながら、装置および課題自身にフィードバックをかけた。

 

-学生レポートから学生の感想-