
この6年で得た経験は自分の将来を考える上でとても意義のあるものでした。
金井研究室
物性物理学
2025年度
修士課程2年
坂巻 天斗
大学で学んだ幅広い物理の知識と、
産総研で養った広い視野が成長の糧に。

研究内容を教えてください。
先端物理学科での所属は金井研究室ですが、学部生(4年)の頃から産業技術総合研究所の堤先生の研究グループに参加し、有機半導体を用いたバイオセンサーの開発に関する研究を行っています。このグループで実用化に向けて研究を進めてきた、創薬におけるドラッグデリバリーの精密チェックを行う製品は、その実現が近いところまで来ています。

先端物理学科の受験を決めたきっかけ・入学の決め手について教えてください。
きっかけは本当にシンプルで、物理が得意だったことです。ただ、物理の中でも特にこの領域に興味がある、専門的に学びたい…と考えていた訳ではなく、将来の道の選択肢を狭めることなく、とにかく広く物理を学びたいという感覚でした。広く浅く物理を学んでいけば、あとは自分の努力次第で、興味を持ったどの方向にも進めるのではないか、と考えていました。入試は、東京理科大以外にもいくつか物理系の学部・学科を受けましたが、その中で本校への入学を決めたのは、学部生のうちに物理の幅広い領域を全般的に学べるということ、学校の先生を含めまわりの人の東京理科大への印象が良かったこと、そして実家から近かったことです。特に、理科大生の印象に関しては、課題が多い、テストが厳しい、そんな中できちんと課程を修了したことに対する信頼度が高く、ここでしっかり勉強すれば自分の将来の選択肢も広がるのではないかと思いました。

先端物理学科を選んで良かったと思える点を教えてください。
私が今、配属されている産業技術総合研究所以外にも、物質・材料研究機構(NIMS)であったり、スーパーカミオカンデであったり、さまざまな研究施設で研究を行うことができる点です。私もそうですが、研究テーマによっては、学部生の段階から外部の研究者と関わり合いながら実験できます。そこでは、大学の研究室の中で完結しきれないような実験ができるだけでなく、これから先の社会に役立つ研究をはじめ、自分自身の将来を考える上で必要な広い視野を養うこともでき、非常に良い経験を得ることができます。
自分自身に率直に。
選択した医療の領域で貢献したい。

学生生活で印象に残っている出来事を教えてください。
産業技術総合研究所での経験が印象深いです。配属されて初めて、職業として「研究」をされている方々と議論するようになりましたが、学生同士でする議論とは全く違うことに衝撃を受けました。着眼点もユニークですし、知的欲求が大きくて、次から次へと質問が飛び交うんです。自分の中に生まれた疑問を率直にぶつけ合っていると言う感じです。それを見て「こんなにも好奇心に溢れているんだ…」「自分を素直に出していいものなんだ…」と、研究者に対する印象も変わりました。そういう質の高い議論の場を経験できたことは自分の成長にもつながりましたし、憧れる人、お手本となる人に出会えたことで、将来、自分がどういう研究者を目指せばいいのか、イメージがより具体的になったなと思います。

これから先、どのような進路を考えていますか?
内定をいただいた医療機器メーカーで、製品の研究開発を行う予定です。所属する金井研究室が半導体分野の研究を行っていることから、OB/OGの就職先も半導体系が多く、就職活動にあたっては、そんな中から医療系に行けるのか…という不安はありました。ですが、想定のシナリオ通りに半導体系に進む選択よりも、自分のやりたいこと、興味が向かう方へ進んでみよう、という選択をしました。将来、自分自身で開発した新商品が、少子高齢化、医者不足といった社会課題の解決に貢献できれば、とてもうれしいです。
先端物理学科・野田キャンパスの
おすすめスポット
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一番集中できる場所、図書館
図書館です。理科大生は真面目な人が多いので、図書館内は本当に静かで、外からの音もほとんど聞こえません。雑音がないぶん、集中して作業を行えるので、テスト勉強やレポート作成の際に重宝しました。それ以外でも、授業と授業の間に長い時間がある時なども活用させてもらっていました。