現代生物学教育(二)
(Modern Molecular Biology)
選択 後期(集中講義) 2単位 山登一郎
【目標】最近の分子生物学の進歩はめざましい。そこで、「現代生物学教育(一)」
を履修し理解したことを踏まえ、分子のレベルから見た生命像について講義する。まず、
ゲノム構造、遺伝子の発現制御やタンパク質の構造と機能など基礎的な部分を講義して理解し
ていただく。そのあと、細胞の分子生理に始まり、最近研究が盛んな思考や感情などの高次
機能発現の分子メカニズムまで触れたい。その時、可能ならば論文を分担して読んでいただいて
紹介していただくことも考えている。本講義により、最近のバイオの現状と将来を見通すことが
できるようになることを期待している。
【参考書】B. Lewin: Genes (John Wiley & Sons, Inc.)
B. Alberts et al.: Molecular biology of the cell (Garland Publishing, Inc.)
【履修上の注意】現代生物学教育(一)を履修しておくことが望ましい
【成績評価方法】出席と発表(またはレポート)で評価する。
【授業計画】
- イントロダクション・ゲノム構造
[DNAの構造,塩基配列,物理的地図,ゲノム解析]
- ゲノム構造
[ゲノムの構造と進化,地球外生命(火星)?]
- 遺伝子の構造・発現と遺伝の仕組み
[ラクトースオペロン,転写と翻訳(セントラルドグマ)]
- 遺伝子の構造・発現と遺伝の仕組み
[転写と翻訳(セントラルドグマ),遺伝子地図]
- 遺伝子の発現制御
[転写制御,その他の調節]
- タンパク質の構造と機能
[タンパク質の構造,機能,構造と機能の研究(例を挙げて)]
- 細胞の分子生理
[トピックスを挙げる]
- 発生・分化・形態形成
[細胞系統樹,形態変異とホメオ遺伝子,オーガナイザー,血液細胞の成熟化,
原核細胞の形態形成などから例を挙げて紹介する]
- 細胞生物学とクローニング技術
[細胞内の各種器官,クローニング技術(羊のドリー)]
- 生物の高次機能(思考・記憶・感情など)
[ニューロコンピュータ,学習,生物時計,感情と薬などのトピックスから紹介する]
- 遺伝病・その他
[老化遺伝子,狂牛病,ミトコンドリア病,AIDS,白血病,...例を挙げて紹介する]
- バイオテクノロジー
[AIDS治療薬,長持ちトマト,...]
一応、上記のような予定でいますが、受講者の人数とバックグラウンドに
より変更するつもりです。講義の初めにお話しします。
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