伊東 祐介
一般に膜タンパク質は非常に疎水性で可溶化状態が不安定であるので、 結晶化され構造解析されたものは数が少ない。
本研究では、PutPの結晶化を目的として、まず大量精製系を確立した。 putP遺伝子のC末端部分にgst遺伝子(グルタチオン-S-トランス フェラーゼ遺伝子)をつなげた発現ベクタープラスミドを作製し、培養・ 誘導方法の工夫により大量発現させた内膜を得た。界面活性剤による可溶 化後、アフィニティ-カラムによる1ステップの精製により、1リットル培養 あたり3 mgの高純度で安定な融合タンパク質を得た。次に、この精製標品 を25 mg/mlに濃縮後、結晶化条件のスクリーニングを行った。その結果、 2.5% PEG6000, pH9.0の条件で、縦0.2 mm、横0.01 mm程度の微小結晶が得 られた。結晶化に重要な因子として界面活性剤の濃度およびGSTの基質で あるグルタチオンの添加が挙げられた。今後、本融合タンパク質の結晶を 構造解析することにより、生物にとって高効率なエネルギー変換機能を 明らかにできるものと期待される。
以上の結果、大腸菌プロリン輸送タンパク質の高発現・大量精製・結晶 化条件が確立され、二次性能動輸送タンパク質構造解析に向けた一歩が踏 み出された。
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