篠崎 智美
S407のリン酸化は、DNA複製阻害剤であるcamptothecinやhydroxyurea処理により誘導された。このリン酸化は、細胞周期のS期への移行を阻害すると抑制された。又、caffeineの投与、及びkinase-dead型のATRキナーゼの導入により、S407のリン酸化が抑制された。さらに、in vitroにおいて野生型ATRキナーゼがS407をリン酸化する事も確認された。以上の結果よりS407をリン酸化する主なキナーゼはATRキナーゼである事が示された。 S407のAsp疑似リン酸化変異体(S407D)を作製しMdm2によるp53の核外輸送におけるS407のリン酸化の役割を調べた所、S407D変異体では野生型Mdm2やS407のAla変異体(S407A)と比較して、核外輸送能力が低下していた。さらに、野生型に比べS407D変異体では、Mdm2によるp53発現レベルの抑制能が低下している事が認められた。従って、ATRキナーゼによるMdm2のS407のリン酸化は、Mdm2の不活性化を介してp53の活性化を引き起こすと考えられた。
Back to "Master Thesis" Home Page
"修士論文リスト"のページへ戻る