2009年度 修士論文要旨


構造に基づくタンパク質機能予測ソフトFCANALの充実

渡邊 優一

 構造ゲノム科学プロジェクトが始まり、機能未知なタンパク質の立体構造も多く 報告されてきた。そのため、構造を基にした高処理な機能予測法が必要となってきた。 現在、配列に基づく機能予測法が広く使われている。しかし立体構造と機能は密接 に関連しており、構造に基づく予測法はより高い精度をもつと期待される。当研究 室では、既知のタンパク質機能部位のアミノ酸残基の出現頻度とCα原子間の距離の スコアマトリックスを用いた機能予測法FCANALを開発し、一般の結合タンパク質や 酵素に応用してきた。

 私は、予測できる機能の種類を増やすことで、FCANALの充実を図ることを目的と した。同じ酵素機能でも一つのスコアマトリックスでは予測精度の上がらない場合、 生物進化系統を基にグループ分けすることで、予測精度が向上することを示した。 乳酸脱水素酵素構想の場合、スコアデータに3つのグループが認められた。配列 解析を行ったところ、これらのグループが進化系統上のグループに対応していた。 そこでこれらグループ毎で別々のスコアマトリックスを作成したところ、本酵素 機能を精度よく予測できた。また中心残基を2つにすることでタンパク質表面に 露出している結合部位も高精度に予測する工夫なども行ってきた。現在、有機・ 無機低分子結合タンパク質、糖結合タンパク質、RNA・DNA結合タンパク質、タン パク質間相互作用部位、酵素タンパク質など様々なタンパク質機能予測を行える ようになった。一方、ビタミン結合タンパク質、脂質結合タンパク質などは未着 手である。さらに、以上の成果をまとめ、一般の研究者の利用に供するために、 Web上での公開も行った。


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