矢口研-研究内容

最終更新:2021. 4.14

矢口研究室では主に超伝導を中心とした低温物性について研究しています.
超伝導体の合成から始まり,超伝導の実験的研究手法として圧力や接合作製,不純物置換などの手法を駆使しています.
このページは学部生の人たちに卒業研究での研究室選びの参考にしていただければと思います.

ルテニウム酸化物超伝導体Sr2RuO4

214結晶構造 この物質は銅酸化物高温超伝導体と同様の層状ペロブスカイト型酸化物で,Ruの周りに酸素が八面体頂点に位置したRuO6八面体が層状に積み重なった結晶構造で,この構造を反映した2次元的な電子状態をとります. Sr2RuO4の超伝導発見当初は銅酸化物超伝導体と同じ結晶構造をとりつつ銅を含まないという点が注目されましたが,ほどなくして非常に珍しいスピントリプレット超伝導体の有力候補あることが指摘され,様々な研究が積み重ねられてきました.

当研究室ではFZ炉を用いてSr2RuO4大型単結晶の育成が可能で,不純物置換や1軸圧力印加などを通して磁性なども含めた観点から研究しています.

11系鉄系超伝導体FeTe1−xSx

11結晶構造 2008年に東工大の細野秀雄教授のグループによって報告された鉄系超伝導体LaFe(As,F)Oを皮切りに,その後世界中で様々な鉄系超伝導体が報告されました. 鉄系超伝導体の大きな特徴は鉄原子の3d軌道のうち複数の軌道が伝導や磁性に寄与している多軌道性であり,単一軌道では現れ得ない特異な超伝導状態が様々な研究から明らかにされつつあります. また,鉄系超伝導体の中には圧力印加によって超伝導転移温度が大きく上昇するものが見られ,その圧力効果についても注目されています.

鉄系超伝導体の種類は数多くあり,組成に対応したグループ名をつけて分類されています.当研究室では11系に分類される鉄系超伝導体の一つであるFeTe1−xSxについてタンマン法を用いて大型単結晶の育成に成功しました.

トポロジカル超伝導体MxBi2Se3

トポロジカル超伝導体というのはごく近年になってから話題になった概念で,元をたどるとトポロジカル絶縁体に由来します. 絶縁体の中にはフェルミエネルギーの位置にバンドギャップが開いているバンド絶縁体というものがあり,これがさらに非自明なトポロジカル数を持つ場合はその絶縁体表面でギャップレスな伝導状態が現れます. また,金属が超伝導状態になったとき,フェルミエネルギーの位置にギャップが開くため,バンドだけ見ると絶縁体と同様にトポロジーで分類することができます. 非自明なトポロジカル数を持つ超伝導体をトポロジカル超伝導体というわけです.

当研究室ではトポロジカル超伝導体の候補として注目されているCuxBi2Se3やその関連物質であるNbxBi2Se3の単結晶育成を試みています.

バンドギャップの概念図

そもそも超伝導って?という人はこちらへ → 超伝導の歴史

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