研究内容

ビッグデータセキュリティ

秘匿計算班

ビッグデータとはネットワーク上にあふれる膨大なデータを指し、企業や組織にとって、ユーザの年収や家族構成などに関する個人情報は市場の傾向予測などに有用な情報です。ビッグデータの有効活用が非常に注目されている一方で、ビッグデータは多くの機密情報を含んでいるため、機密は保護されなければなりません。そこで、秘匿計算班では機密情報を暗号化したままで平均値の計算といった統計処理などのさまざまな演算を実現する手法を研究しています。

IoT/ネットワークセキュリティ

ネットワーク班

ネットワーク班の研究内容
ネットワーク班の研究(クリックで拡大)

IoTとはInternet of Thingsの略で、モノとモノをインターネットに繋げることで、色々なモノ同士でコミュニケーションをする技術です。通信される情報には個人情報などが含まれますので、セキュリティ対策が必要です。しかし、IoTではセキュリティ対策に割けるメモリや計算リソースは少なく、かつ省電力動作が要求されます。そこでネットワーク班では、省電力で実現できるセキュリティ技術を研究しています。また収集したデータは、ビッグデータの一部を構成します。

コンテンツセキュリティ

認証班

認証班の研究内容
認証班の研究(クリックで拡大)

近年、インターネットの発達により消費者自身がコンテンツを生成・発信できるようになりました。このようなコンテンツにより形成されたメディアをCGM(Consumer Generated Media)呼びます。現状、CGM上のコンテンツは著作者の意思に反する利用ができてしまいます。そこで認証班では、著作者が編集のルールを設定し、編集者の違反を検出する認証技術を用いた著作権保護技術について研究をしています。

電子透かし班

電子透かし班の研究内容
電子透かし班の研究(クリックで拡大)

近年、動画や音楽などがデジタル化され、コンテンツを劣化させることなく複製・配布することが容易となりました。しかし一方で、コンテンツを不正に配布する著作権侵害が深刻な問題となり、著作権保護技術の需要が高まっています。そこで、コンテンツそのものを保護するために、コンテンツに直接著作研情報などを埋め込む電子透かし技術が提案されています。電子透かし班では、この電子透かし技術について、性能を向上したり、他分野への応用を検討したりといった研究を行っています。

リアル&サイバーセキュリティ

印刷班

現在、ネットワークやゲームなどのサイバーワールドは実社会(リアルワールド)とのリンクが進み、サイバーワールドの中にリアルワールドがどんどん取り込まれています。その代表が監視カメラによる実社会監視や,世界カメラなどによる実社会の映像に付加情報をつけた動画の実現です。印刷班では,今まで紙の繊維パターンの中に人間が識別困難な情報を埋め込み印刷物を保護する技術を研究してきました。現在はその印刷物保護技術を拡張し,壁紙や洋服などに適用することによって,壁紙や洋服の中に違和感なく情報を埋め込ように発展させた研究を行っています。この技術を用いれば,その壁紙を張った家やその服を着た人物はカメラで撮られたとき,埋め込まれた情報に応じてARや付加的な情報が表示されるようになります。

バイオメトリクス・物理的セキュリティ

バイオメトリクス班

最近では、従来バイオメトリクス技術として用いられていた指紋や虹彩などが、容易に偽造できることが知られ、これらに代わる新しい個人認証技術が必要となっています。また、インクカートリッジやICチップなど、純正品でない模造品が出回り、機械や装置においてもそれが正当なものであるということを証明するPUF(Physical Uncronable Function:物理的に偽造できない機能)と呼ばれる技術が求められています。そこでバイオメトリクス班では、今までにないバイオメトリクス技術やPUFに関する研究をしています。

符号班

通信におけるデータの誤りを訂正するための、誤り訂正符号という技術があります。符号班では、次世代携帯電話や無線LANなどで用いられている誤り訂正符号をさらに高性能化した手法を研究し、自然雑音による誤りを対象とする従来の誤り訂正よりも困難な、人間による上書きや紙のシワなどによる非線形の誤りも対象としています。高い訂正能力が実現すれば、信号の同期確保が困難な宇宙通信など、様々な分野への応用が期待できます。