2000 年度の講義
- 前期
- 微分積分学第一
教科書の第一章から第三章まで。微積分は忙しい。特に今学期は、
なるべく数学演習の進行に先行しようと心がけたため、
なおさら忙しくなってしまった。
また教えること(教えたいこと)がたくさんありすぎて、困ってしまう。
講義の中でも、演習もしたいが十分な時間がない。
- 応用線形代数学 (夜間主コース・再履修クラス)
夜間の再履修クラスで、しかもこの学期がこの科目の開講が最後ということで、
教える内容をしぼりこみ、そのかわり、毎回、出席がわりの小テストと宿題を
出した。小テストの受験回数、宿題の提出回数によって、中間、期末試験の
受験資格を決めるということまでやった。
科目登録をした人 50 人中、宿題・小テストの要求をみたした人が 28 人、
その中で二回のテストを受けて合格した人 22 人という結果であった。
すべての科目で、こういうやり方をやるのは、今のところ、時間的に不可能だが、
このようなやり方をすれば、少なくとも、わかる学生の割合は増えるだろう。
しかし、このやり方が本当にいいのかはわからない。大学生への教育と、
高校生への教育が同じでもいいのかという疑問が残る。いわれてなくても、
自分で勉強する(あるいは自分で生活を律する)というのが、「大人」である
大学生の建前であったはずだという気持ちがあるからである。もっとも、
毎回、宿題をやって出席し、小テストをうけるということのできない人が
相当人数いるということから、こんなことをいうのはもはや時代遅れに
なっているのかもしれない。
- 数学演習第一 (2 コマ)
日程表
- 後期
- 微分積分学第二
教科書の第四章、第五章。
後期は、偏微分、重積分と、内容が前期よりもたくさんある。
やはり演習時間が足りなくて、理解不足と、実践不足の両方を学生の答案から感じた。
次に微積分をやるときは、もう少し内容をしぼって、演習を増やすほうが良いかも
しれない。
- 現代数学入門 II
題材は前年度と同じ。時間の関係から、平方剰余の相互法則は軽く
ふれるだけになった。群論の部分を少し薄めて、実際に手を動かして
計算できる対象に話の重点をおいたつもり。期末試験を、教科書、ノートの持ち込みを
可にしたところ、実質的に満点近くとった人が、二人出た。実学重視の工学系の
学部で、頼もしい限りである。
数学が好きで、実際に力がないと、この授業をとるのはやはり難しいかもしれない。
来年はすこし題材を変えてみるつもりである。
-
情報数理第一 (大学院)
前年とほぼ同じ授業。だたし、暗号の話を少ししたりして、興味をもってもらう
ように工夫したつもりだが、その効果はどうだったか。
いろいろな専攻の人が履修する傾向があって、その知識量もばらばらばので、
線形代数以外の知識を仮定しないでやるのだけれど、それでも、最後まで
ついてくるのは難しいらしい。
初等整数論や代数の初歩のところはともかく、代数的整数論に入るとどうも
あまりわかっていない。わかっていないことに気付くのは、
レポート問題がでて、いざそれに手をつけてみてからというのだから、
ちょっと困ってしまう。自分の専門で忙しいのもわかるが、
自分で勉強しないとわかるようにならないこと(あるいは、
聞くだけでわかるほど自分が天才ではないこと)に気付いていただけると
ありがたいのだが。
来期はすこし内容を工夫する予定。
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