詩の中の「私」は詩人の私であるだけでなく、万人の私である。詩人たちは物語らなくなったと言われるが、実際には、小声で語りかけている、しかもすべての人間に。
哲学的解釈学をうち立てたガダマーが、ヘルダリーン、ゲオルゲ、リルケ、ツェラーンなど現代の詩を解釈する
詩の解釈に文献学的・伝記的な知識がどれほど意味を持つのか?──『真理と方法』
のガダマーが答える。目次
ヘルダリーンの現代性
詩人シュテファン・ゲオルゲ
ヘルダリーンとゲオルゲ
我と汝は同じ魂(ゲオルゲ)
五十年後のライナー・マリア・リルケ
ニヒリズムの気配をおびて(ベン、ツェラーン)
読者は何を知っていなければならないか(ツェラーン)
詩人たちは黙りこむのか(ツェラーン、ボブロフスキ)
パウル・ツェラーンにおける意味と意味遮蔽
ヒルデ・ドミーン──帰郷の詩人
ヒルデ・ドミーン、励ましの歌Ⅱ
詩と対話──エルンス・マイスターの詩についての考察
エルンスト・マイスター、追想V
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