電磁気学の勉強を始めて「変位電流の話」まで進むとAmpereの法則の修正としてMaxwell方程式に「変位電流」を取り込む必然性はわかっても、
・変位電流は磁場のsourceなのか?
・Biot-Savartの法則に変位電流は入れるべきなのか?
・Biot-Savartの法則からAmpere-Maxwellの法則を導くことができるか?
といった点がすっきりしない場合が多いのではないでしょうか? このweb補助教材は、それらについて記述してある『テキストや論文[Reference]』の内容を、上述した問題意識がはっきりするように、組み合わせ配列し直したものです([このwebマテリアルについて]を参照)
このWebページを最後まで読めば、先の問いが明らかになるだけでなく、電荷密度ρや電流Jが時間によって変化する場合に電場や磁場がどのように表現できるかも分かり、その際に導入した時間に依存した形で表現される一般化されたBiot-Savartの法則であるJefimenko方程式によって
1.磁場のsourceは何なのか?
2.変位電流の項の役割
3.Biot-Savartの法則の適用範囲
の理解がより明らかになると思います。
注意点
ここでは式の導き出しよりも物理的意味の解釈に重点を置いているため、式の導き出しやより深い理解を得たい場合にはReferenceを参照してください。
なお、変位電流と区別しやすくするために伝導電流のことを真電流と表現しています。