2 実験1 アンペールの法則(1)
〜変動電流が作る磁場の性質〜
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疑問1
「直線電流のまわりにできる磁場は、向きに関してどんな規則を持っているのだろうか?」
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“どうやって磁場を体感するか?”
直線電流のまわりに作られる磁場を測定するには、ホール効果等を使えば実現可能です。しかしこの実験では、磁場の発生を検出するために小型の検出コイル(外径約1[cm]、長さ1[cm]程度で数百回巻)を使います。
左の図のように、検出コイルの軸方向の向きに磁場が入り込んだとしましょう。すると検出コイルからは誘導起電力が発生します。この実験では、発生した誘起電圧をオシロスコープで表示することで、磁場の強弱を体感する仕組みになっています。
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(1)軸方向と平行に検出コイルを立てる
赤い導線には電流(交流)が流れています。この導線を目盛りのついたプラスチック板に貼りつけました。
この状態で、導線から2[cm]離れた位置にコイルを立ててみましょう。コイル内に磁場が発生して、そこから生じた誘導起電力がオシロスコープに出力されています。
(ムービーを再生せよ)
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(2)電流の方向と同じ向きに
検出コイルを傾けていく
コイルの向きを変えても同じように誘導起電力がオシロスコープに現れるのでしょうか?
(1)の状態から検出コイルを徐々に傾けていき、直線電流と平行な状態にしてみましょう。検出コイルが直線電流と平行な向きになると、誘導起電力は0になりました。
そして検出コイルをまた元の状態に戻すと、やはり(1)と同じ大きさの誘導起電力がオシロスコープに現れます。
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(3)導線に関して(1)と対称な位置に
検出コイルを立てる
(1)と対称な位置(導線から2[cm]離れたところ)にコイルを立ててみました。
(1)と同じ大きさの誘導起電力が生じました。直線電流のまわりにできる磁場は、直線に関して対称性を持っているようです。
(ムービーを再生せよ)
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(4)直線電流の真上に
検出コイルをもってくる
直線電流の真上に検出コイルを持ってきてみましょう。
直線と平行な方向にコイルを向けると誘導起電力は0になり、直線に垂直な方向にコイルを仕向けると(1)のものとほぼ同じ大きさになりました。
(ムービーを再生せよ)
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ここでの結論
「検出コイルが誘導起電力を生じる方向を結んでいくことによって、『直線電流には電流のまわりを回転するような磁場ができる』ことがわかる」
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