第3集 静磁場の性質
1 はじめに 〜電流の磁気作用の発見〜
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直線電流に電流を流した時の様子を見てみましょう。導線のまわりに散布した鉄粉が、同心円の模様を描いている様子が見られます。
(ムービーを再生せよ)
これは、電流により「『電場によるものとは異質の空間の変化』が発生した」と考えることができます。この空間分布の変化を磁場(magnetic field)といい、特に時間的に変動しない場合には静磁場(magnetostatic field)と呼びます。ムービーで見られる鉄粉の移動過程は、磁力線の向きを表していると考えることができます。
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1820年デンマークのエールステッド(H.Oersted)は、同様な実験から「電流がその周囲に磁場を作ること」を発見しました。そして、その発見を聞いたフランスのアンペール(A.Ampere)は、すぐに実験を始めて「アンペールの法則」の土台をつくりました。
また、フランスのビオ(J.Biot)とサバール(F.Savart)は、電流の分布によって生じる静磁場の性質を詳しく定量的に調べました(ビオ-サバールの法則)。
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それでは具体的にそれらの法則を体感するにあたって…
・直線電流のまわりにはどんな磁場ができるだろうか?
・その方向は?電流の大きさや、測定点との関係は?
それぞれの場合について見ていきましょう
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