塚越研究室

Research研究内容

研究内容

DNAは遺伝情報の担い手となる生体高分子です。一方、短い一本鎖DNAを化学合成してみると、分子内で折りたたまり立体構造を形成することで、特定の分子と強く相互作用することがあります。このような結合能をもつDNAをDNAアプタマーと呼びます。アプタマーは分子設計が柔軟、活性基の修飾が容易などの利点があり、診断・治療への応用が注目されています。

当研究室はアプタマーのエンジニアリングと応用を通して新たな生化学研究を拓くことを目指します。特に認知症の原因となるアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態理解や治療・診断方法の確立を目指し、研究を展開します。アルツハイマー病の治療では原因となるアミロイド形成タンパク質の異常凝集化を防ぐ・毒性の高いオリゴマーという凝集体を取り除くアプローチが有効と考えられています。そこで当研究室ではアミロイド形成タンパク質の分子病態を探る基礎研究も併せて行い、自らアプタマー開発/創薬標的を探索することも行います。

核酸やタンパク質を対象とした生化学的な研究と、認知症を対象とした医学研究の両方に携わる「二刀流」の研究スタイルが、当研究室の特徴です。

お互いの研究テーマに興味を持って関わり合うことで、研究室活動を通して、協力し合い社会活動ができる人材、専門性を活かした社会活動ができる人材を育てます。

標的タンパク質と複合体を形成しているアプタマー
(赤色のリボン表示)の図
標的タンパク質と複合体を形成しているアプタマー(赤色のリボン表示)の図
神経変性疾患を引き起こすアミロイド形成タンパク質の異常凝集のプロセス
神経変性疾患を引き起こすアミロイド形成タンパク質異常凝集のプロセス