本研究部門の構成メンバー・部門における役割

本研究部門では、以下の4つのグループが相互に連携することで、再生医療を加速する超細胞・DDS開発研究を推進します。

(1)超細胞・DDS開発グループ

超細胞の設計および開発と、細胞や各種生理活性物質の体内動態制御を目的としたDDSを開発します。細胞への新機能の付加、細胞スフェロイド・オルガノイドの構築、エクソソームに代表される細胞外小胞の利用などの視点から、これまでの細胞機能を超越する「超細胞」の開発を目指します。また、各種DDS技術を超細胞に適用し、疾患モデル動物等を用いた評価によりその有用性を検証します。

お問合わせ | Contacts
東京理科大学 研究推進機構 総合研究院

再生医療を加速する超細胞・DDS開発研究部門

電話(代):04-7124-1501(内)6451
メール:kusamori@rs.tus.ac.jp

メンバー | member

東京理科大学 薬学部 教授
西川元也

「 DNAハイドロゲルを利用した細胞治療システムの開発」:近年、互いに相補的な塩基配列が二本鎖を形成するDNAの特性を利用することで、多様な核酸構造体を人工的に設計可能なDNAナノテクノロジーが注目されている。我々は、二種類のDNAナノ構造体が互いに連結する塩基配列を設計し、それらを混合することで自己組織化によりゲル化するDNAハイドロゲルの開発に成功した。そこで本研究では、多彩な機能を有するDNAハイドロゲルに細胞を内包することによる細胞治療システムの開発を試みる。

東京理科大学 薬学部 准教授
草森浩輔

「 DNAハイドロゲルを利用した細胞治療システムの開発」:近年、互いに相補的な塩基配列が二本鎖を形成するDNAの特性を利用することで、多様な核酸構造体を人工的に設計可能なDNAナノテクノロジーが注目されている。我々は、二種類のDNAナノ構造体が互いに連結する塩基配列を設計し、それらを混合することで自己組織化によりゲル化するDNAハイドロゲルの開発に成功した。そこで本研究では、多彩な機能を有するDNAハイドロゲルに細胞を内包することによる細胞治療システムの開発を試みる。

東京理科大学 薬学部 教授
山下親正

「肺胞再生を目指したCOPD根治治療法の開発」:世界における死亡原因の第3位であるにも関わらず、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法は対症療法のみである。そこでCOPDの根治治療を目指して肺胞を再生させる新しい化合物を見出し、細胞の分化誘導を基盤とした肺胞再生というアプローチで、その化合物を作用点まで効率良く送り届けるシステムを開発する。  「新しい概念に基づいたDDS技術を用いたうつ病や認知症の治療薬の開発」:研究概要(200字程度) うつ病や認知症などの中枢神経系疾患の患者は年々増加傾向にあり、治療効果の高い新薬開発を目指した研究が長年行われているが、未だに薬剤貢献度・治療満足度がともに低い、アンメットメディカルニーズが非常に高い疾患領域である。本研究では既成概念を覆し、うつ病や認知症を治療できる神経ペプチドを、鼻から脳へデリバリーさせる臨床応用可能なドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発し、その脳への移行機構を解明する。

東京理科大学 薬学部 講師
秋田智后

「肺胞再生を目指したCOPD根治治療法の開発」:世界における死亡原因の第3位であるにも関わらず、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法は対症療法のみである。そこでCOPDの根治治療を目指して肺胞を再生させる新しい化合物を見出し、細胞の分化誘導を基盤とした肺胞再生というアプローチで、その化合物を作用点まで効率良く送り届けるシステムを開発する。  「新しい概念に基づいたDDS技術を用いたうつ病や認知症の治療薬の開発」:研究概要(200字程度) うつ病や認知症などの中枢神経系疾患の患者は年々増加傾向にあり、治療効果の高い新薬開発を目指した研究が長年行われているが、未だに薬剤貢献度・治療満足度がともに低い、アンメットメディカルニーズが非常に高い疾患領域である。本研究では既成概念を覆し、うつ病や認知症を治療できる神経ペプチドを、鼻から脳へデリバリーさせる臨床応用可能なドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発し、その脳への移行機構を解明する。

城西国際大学 薬学部 准教授
竹内一成

「ナノ粒子を用いたドラッグデリバリーシステム」:生分解性高分子を利用した経皮投与のための薬物含有ナノ粒子の開発。  「がん治療のための高分子ミセル製剤」: 薬物内包ミセル製剤に適した新規生分解性高分子の合成。ミセル製剤の物理化学的性質および治療効果の評価。

東京理科大学 薬学部 助教
板倉 祥子

「肺胞再生を目指したCOPD根治治療法の開発」:世界における死亡原因の第3位であるにも関わらず、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法は対症療法のみである。そこでCOPDの根治治療を目指して肺胞を再生させる新しい化合物を見出し、細胞の分化誘導を基盤とした肺胞再生というアプローチで、その化合物を作用点まで効率良く送り届けるシステムを開発する。  「新しい概念に基づいたDDS技術を用いたうつ病や認知症の治療薬の開発」:研究概要(200字程度) うつ病や認知症などの中枢神経系疾患の患者は年々増加傾向にあり、治療効果の高い新薬開発を目指した研究が長年行われているが、未だに薬剤貢献度・治療満足度がともに低い、アンメットメディカルニーズが非常に高い疾患領域である。本研究では既成概念を覆し、うつ病や認知症を治療できる神経ペプチドを、鼻から脳へデリバリーさせる臨床応用可能なドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発し、その脳への移行機構を解明する。

(2)細胞機能制御システム開発グループ

細胞機能を制御する新規分子の創製に加えて、再生医療および細胞治療を補助する種々の機能性新素材を開発します。開発した新規分子および新素材を他のグループに供出し、その評価結果をもとにさらに高機能な分子・素材の開発に取り組みます。

メンバー | member

東京理科大学 先進工学部 教授
菊池明彦

「表面物性と形状を制御しうる高分子微粒子の調製と細胞との相互作用制御」 研究概要:微粒子は薬物キャリアとして利用されており、これら微粒子の細胞取り込みなど、微粒子と細胞間の相互作用は、微粒子の粒径や形状,表面物性など、物理化学的性質により変化することが知られている。これらの微粒子の物性をターゲット細胞近傍で動的に制御して能動的に取り込み制御しうると考えられる。そこで、我々は表面物性と形状を温度で制御が可能な微粒子を合成し、これら微粒子と細胞との相互作用を解析している。  「骨欠損治療を目指した有機-無機ハイブリッドカプセルの創製」 研究概要:骨粗鬆症などの骨欠損の治療には、骨の再生と薬物による治療を同時に達成する必要がある。そこで当研究室では、複数薬物を担持可能な骨再生を促す有機-無機ハイブリッド材料を作製している。この材料は、内部に薬物担持可能な有機相、シェルに骨再生能力と薬物担持能を持つ無機相で構成されている。そのため、薬物による治療と骨の再生を同時に達成できる材料として期待できる。

東京理科大学 先進工学部 助教
小松周平

「研究テーマ1」:骨欠損治療を目指した有機-無機ハイブリッドカプセルの創製 骨粗鬆症などの骨欠損の治療には、骨の再生と薬物による治療を同時に達成する必要がある。そこで当研究室では、複数薬物を担持可能な骨再生を促す有機-無機ハイブリッド材料を作製している。この材料は、内部に薬物担持可能な有機相、シェルに骨再生能力と薬物担持能を持つ無機相で構成されている。そのため、薬物による治療と骨の再生を同時に達成できる材料として期待できる。  「研究テーマ2」:細胞取り込みを表面物性と形状で制御する高分子微粒子の合成 細胞取り込みなどの微粒子と細胞間の相互作用は微粒子のサイズや形状,表面物性により異なる。これらの物性を細胞付近で制御できれば微粒子と細胞との相互作用を任意に制御しうる。そこで、粒子の細胞取り込みに影響する表面物性と形状を温度で制御が可能な微粒子を合成している。この微粒子は、温度変化により表面の親水性/疎水性を変化でき、また粒子コアをロッド状から球状へと形状変化させ、細胞との相互作用を制御できる。

教養教育研究院葛飾キャンパス教養部・准教授
秋山好嗣

「DNA密生層を活用したキャリアフリーDDS製剤の開発」:薬物・遺伝子の体内分布を厳密に制御できれば、副作用を軽減した治療の達成が可能となる。そのためには、精密に設計された薬物・遺伝子運搬体(キャリア)を用いてナノ構造体とするのが一般的である。しかし、キャリア自身の生分解性や生体適合性が十分でない場合、その毒性が臨床応用の大きな妨げとなっている。本研究課題では、キャリアがもつ潜在的な毒性を根本的に解決するために、核酸医薬と分子標的医薬のみでナノ構造体を作製することによって、キャリアを用いない薬物・遺伝子デリバリー(キャリアフリーDDS)の創製を目指している(共同研究者:菊池明彦教授(東理大先進工))。  「DNA親和性薬物の目視探索キットの開発」:DNAと強い親和性をもつ化合物は抗がん剤として機能する。この活性評価は、放射性元素で標識化した基質DNAを用いたゲル電気泳動、あるいは蛍光共鳴エネルギー移動に基づく蛍光検出などで解析するのが一般的である。しかし、これらは前処理を含めた煩雑な工程や測定に時間を要するなど簡便さに欠けていた。そこで本研究課題では、二重鎖DNAをブラシ状に固定化した金ナノ粒子の凝集・分散に伴った鮮やかな発色特性を用いた目視薬物探索キットの開発を目的としている(共同研究者:菊池明彦教授(東理大先進工))。

(3)物性制御・評価グループ

超細胞・DDS開発グループや細胞機能制御システム開発グループで開発される種々の機能性分子・素材の物性評価を担当します。得られた情報を各グループにフィードバックすることで、超細胞・DDSの機能最適化を支援します。

メンバー | member

東京理科大学 薬学部 教授
後藤了

「医薬品や高分子製剤の溶解度と溶解速度の物理化学」: 水溶液に接した固体上では医薬品分子が特定の挙動をとり、それはまるで界面の陣取りゲームのようです。これを説明するために数学モデルのセルオートマトンが有用です。そこで、論理的、コンピュータ計算の手段を利用して、実験化学の速度論的解析と量子化学・分子力学/動力学を戦力とします。

東京理科大学 名誉教授
大島広行

「研究テーマ」:DDS研究におけるコロイド界面科学 研究概要: 電場中でのコロイド粒子の運動およびコロイド粒子間の相互作用の理論的研究。TUS Todayニュースがコロイド粒子表面における流体のすべりの効果に関する研究を紹介(2019年9月26日)。また。Gel Electrophoresis of a Soft Particle” (H. Ohshima, Adv. Colloid Interface Sci., 271, 101977, 2019)をAtlas of Scienceが紹介(2021年1月13日)。

東京理科大学 薬学部 助教  
槌田 智裕

「研究テーマ」:DDS研究におけるコロイド界面科学 研究概要: 電場中でのコロイド粒子の運動およびコロイド粒子間の相互作用の理論的研究。TUS Todayニュースがコロイド粒子表面における流体のすべりの効果に関する研究を紹介(2019年9月26日)。また。Gel Electrophoresis of a Soft Particle” (H. Ohshima, Adv. Colloid Interface Sci., 271, 101977, 2019)をAtlas of Scienceが紹介(2021年1月13日)。

 

(4)細胞・臓器再生グループ

肺や骨などを対象に臓器再生のメカニズムの解明および治療、また超細胞・DDSを適用した際の免疫系との相互作用の解明などを行います。 図1に各グループを構成するメンバーおよび役割を示します。これらのグループが有機的な相互関係を構築することで、本学のDDS研究部門の研究資産を継承するとともに、新たな段階の共同研究への発展を目的として、再生医療を加速する超細胞・DDS開発研究を行います。

メンバー | member

東京理科大学 薬学部 教授
礒濱洋一郎

「アクアポリンの薬理学的調節による新規抗炎症概念の確立」 アクアポリン(AQP)類は生体内の水の代謝の効率化に重要な水チャネルとして知られているが,AQP類の有無は増殖・遊走など,基本的な細胞機能にも影響することが知られている.我々もAQP類を持つ細胞では炎症性サイトカインの発現が亢進することを見出しており,AQPの病的炎症を制御するための新たな標的分子としての可能性を示唆している.本課題では,このAQPの調節を介した炎症制御の概念を検証するとともに,薬理学的調節法の確立を目指す. (200字程度)  「研究テーマ2」:研究概要(200字程度) 「骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)機能調節による新規がん免疫療法の確立」 骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)はがん細胞の免疫回避と腫瘍成長と密接な関係にある.MDSCは,担がん時に骨髄細胞より分化誘導され,主要組織へと遊走し,免疫抑制因子を放出することでT細胞やマクロファージの機能を抑制する.従って,MDSCの抑制は新たながん免疫療法の概念として期待されるが,これを薬理学的に調節する薬物は未だ知られていない.本研究では,MDSCの分化,遊走および機能発現の各段階に対する種々の薬物の作用を調べ,新規MDSC抑制薬を提唱することを目的とする.

東京理科大学 薬学部 教授
花輪剛久

1. 「患者に優しい製剤の開発」:医薬品の有効性を最大限に発揮させるためには、適切な投与形態の選択と製剤設計が重要となる。本研究室では、実際の医療現場において求められる製剤として、半固形製剤、液状製剤、貼付型製剤などを開発している。また、それらの製剤に含有させる医薬品の溶解性や分散性向上を目的としたナノ粒子化に関する研究を行っている。 2. 「創傷治癒を目的とした創薬・創剤研究」: 米国では年間約6,500万人が創傷治療を必要としており、世界的に見ても創傷治療用製剤のニーズは高いと言えます。また、高齢化社会の到来により褥瘡患者が増加していることから、創傷被覆材の市場は今後さらに拡大することが予想される。現在、創傷の治療には、「外科的治療」「ドレッシング剤による治療」「薬物療法」などが行われている。中でも、傷口を保護材で覆う「ドレッシング治療」は、医療現場では非常に一般的な治療法であるため、誰でも簡単に扱うことができ、機能性に優れた新素材の創傷被覆材が強く望まれている。現在我々は、創傷治癒のためのハイドロゲルの調製に注目し、さまざまな方法や材料を試みている。

東京理科大学 薬学部 助教
村上一仁

「アクアポリンの薬理学的調節による新規抗炎症概念の確立」 アクアポリン(AQP)類は生体内の水の代謝の効率化に重要な水チャネルとして知られているが,AQP類の有無は増殖・遊走など,基本的な細胞機能にも影響することが知られている.我々もAQP類を持つ細胞では炎症性サイトカインの発現が亢進することを見出しており,AQPの病的炎症を制御するための新たな標的分子としての可能性を示唆している.本課題では,このAQPの調節を介した炎症制御の概念を検証するとともに,薬理学的調節法の確立を目指す.

東京理科大学 薬学部 教授
早田匡芳

「筋骨格系の発生・再生医科学研究」:筋骨格系疾患の予防と治療は,健康寿命の延伸及びプロダクティブ・エイジングにとって重要な課題である。本研究室では,筋骨格系疾患の新たな治療法を見つけることを目標としている。ゲノム編集技術や遺伝子組み換え技術を用いて,新たな疾患モデルマウスを開発し,筋骨格系の形成,維持,修復の根底にある分子や細胞の基本原理を特定し,筋骨格系疾患の薬理学的治療の可能性を見出し,難治性疾患の新しい治療の機会に変換する。

山口東京理科大学 薬学部 病態生化学分野 准教授
伊豫田拓也

「ECM環境の変化が齎す細胞機能異常と慢性炎症性疾患」: 加齢に伴ってその構成が大きく変化する生態構成分子群の1つに細胞外マトリックス(ECM)環境がある。テネイシン-Cは炎症局所に一過的な高発現を示すが、本分子内には細胞の接着調節を介して細胞機能発現に影響を及ぼす生理活性領域が存在する。そこで、本領域やその生理活性を柱に、慢性炎症がその根底に存在するとされる種々加齢性疾患の新たな理解と新規治療法の創生を目指し、検討を進めている。

東京理科大学 薬学部 助教
廣瀬香織 

「ECM環境の変化が齎す細胞機能異常と慢性炎症性疾患」: 加齢に伴ってその構成が大きく変化する生態構成分子群の1つに細胞外マトリックス(ECM)環境がある。テネイシン-Cは炎症局所に一過的な高発現を示すが、本分子内には細胞の接着調節を介して細胞機能発現に影響を及ぼす生理活性領域が存在する。そこで、本領域やその生理活性を柱に、慢性炎症がその根底に存在するとされる種々加齢性疾患の新たな理解と新規治療法の創生を目指し、検討を進めている。

下図に各グループを構成するメンバーおよび役割を示します。これらのグループが有機的な相互関係を構築することで、本学のDDS研究部門の研究資産を継承するとともに、新たな段階の共同研究への発展を目的として、再生医療を加速する超細胞・DDS開発研究を行います。