研究概要
我々の研究グループでは,界面を有する系での熱流体力学をメインターゲットに,以下の2大テーマのもとで研究を行っています.
一つは,『特殊環境下での熱物質輸送技術の開発』,もう一つは『液体中の微粒子輸送技術・運動制御技術の開発』です.
特殊環境下での熱物質輸送技術の開発
基板上の液滴の移動や,沸騰時の蒸気泡の運動といった身近な現象の物理に注目します.
微小スケールでの伝熱・結晶成長・高性能熱交換器などの熱流体工学的領域から,
宇宙などの特殊環境での長期滞在に不可欠な高性能冷却デバイスなどの環境制御工学領域まで,幅広い領域への応用を視野に入れています.
- 『濡れ』の動力学
- リール大学,コート・ダジュール大学,パリ・サクレイ大学(仏),大連理工大学(中)と共同研究実施中
- 気液相変化を伴う非定常熱流動現象
- 微小重力・低重力環境下での気液分離システム;月面有人活動へ向けた流体機械要素開発
- 連携大学院制度により,宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の桜井誠人教授と共同研究実施中

(上)実験結果,(下)数値解析結果.フランス・中国との共同研究.
液体中の微粒子輸送技術・運動制御技術の開発
コーヒーのしみや食器に残る水痕などの身近な例もあり, インクジェット方式による変形基板上電子素子形成や,たんぱく質結晶化, 新薬や水などの高品質化・検査過程の高速化など熱工学・電子工学・生化学・生体工学的領域などへの応用を視野に入れています.
- 自由液膜内Hydrothermal wave不安定性
- NASA宇宙飛行士 D.Pettit 博士と共同研究実施中
- HZ液柱内非線形対流場における流体運動
- 「きぼう」での日欧共同宇宙実験プロジェクト進行中

(左)実験結果,(右)理論モデルによる予測(Mukin & Kuhlmann (2013) から一部引用).