研究内容
- - 乱流遷移
- - 粘弾性流体の乱れ低減・促進
- - マイクロ界面での熱流体輸送
- - ステント入り冠動脈血流予測
- - 乱流現象の機械学習
乱流遷移
回転系平面クエット流の遷移過程 上述の様に,数値的アプローチによる乱流遷移の研究に加え,古くから実験的アプローチによる特異な流動現象の探求も重要です. スウェーデン王立工科大学との共同研究で,回転系せん断流れ(平面クエット流)における遷移過程の解析も行っています. これは,ターボ型流体機器や地球の自転の影響を受ける大気境界を簡素化した流れ場であり,コリオリ力の影響によって層流~乱流間で10種以上の流れパターンを呈することが実験で分かりました.
関連文献
- T. Tsukahara et al., "Turbulence stripe in transitional channel flow with/without system rotation," Proc. the 7th IUTAM Symp. on Laminar-Turbulent Transition, Stockholm, Sweden (eds. P. Schlatter & D.S. Henningson), IUTAM Bookseries, Vol. 18, Springer (2010), pp. 421-426. [Online Book]
- T. Tsukahara et al., "DNS of turbulent channel flow at very low Reynolds numbers," Proc. the 4th Int. Symp. on Turbulence and Shear Flow Phenomena, Williamsburg, USA, Jun. 27-29 (2005), pp. 935-940.
- T. Tsukahara et al., "Flow regimes in a plane Couette flow with system rotation," J. Fluid Mech., Vol. 648 (2010), 5-33.
非ニュートン(粘弾性)流体
マイクロ界面熱流体輸送
冠動脈血流解析
乱流現象の機械学習
共同研究先(終了したプロジェクトを含む)
国際共同研究
国内共同研究(学外)
学内共同研究
受賞・助成金(学生)
日本機械学会 関東支部 2024年度若手優秀講演フェロー賞
受賞内容:一般社団法人日本機械学会 関東支部が主催する第31期総会講演会において2024年度若手優秀講演フェロー賞を受賞した.本賞は,グローバル競争時代を迎えて大学院学生および企業若手研究者の意識高揚のため,フェロー寄付金により設立され,2005年度より贈賞が開始されたものである.表彰対象者は,日本機械学会の支部・部門等が主催する本賞を対象とすることを明記した講演会において,発表論文もしくはアブストラクトの共著者で且つ登壇し発表した者で,原則として翌年度の4月1日現在において,26歳未満の会員とされている.当講演会において,機械工学に関わる幅広い講演が多数行われた中,審査により選ばれた5名の受賞者の内の一人となった. 本研究は,矩形型自由液膜において,液膜平行方向に一定の温度勾配を与えた際に生じるマランゴニ対流を直接数値シミュレーションにより調査したものである.特に,温度差を上昇させて最初に現れる流れ(基本定常流)に注目して,プラントル数に依存した基本定常流の定性的変化(流れパターン変化)を明らかにしたものである.
受賞日: 2025年4月15日
日本機械学会 関東支部 2024年度若手優秀講演賞
受賞内容: 一般社団法人日本機械学会 関東支部が主催する第31期総会講演会において2024年度若手優秀講演賞を受賞した.関東支部では,人材育成に貢献する目的で,関東支部総会講演会において優れた講演を行った若手研究者に対し,2006年度より表彰している.当講演会において,機械工学に関わる幅広い講演が多数行われた中,審査により選ばれた7名の受賞者の内の一人となった. 本研究は,機械学習の一種である深層畳込みニューラルネットワークを用いて,複雑流体の乱流に対する局所瞬時的応答を推定する代理モデルの構築を目指したものである.具体的には,3D U-Netを用いて,粘弾性流体の平行平板間乱流における構成応力を速度場から推定しえる代理モデルの可能性を調査している.粘弾性流体乱流の物理解明に加えて,複雑流体乱流シミュレーションの高度化(安定化や高速化)に資する研究である.
受賞日: 2025年4月15日
機械航空宇宙工学専攻 2024年度修士中間発表優秀ポスター賞
受賞内容:冠動脈インターベンション(PCI)においてカテーテル留置した冠動脈血管を対象に,光干渉断層撮影(OCT)画像に基づく血管モデル再構築を行い,さらに数値流体力学(CFD)シミュレーションによりカテーテル留置の影響を調査した研究のポスター報告を行った.優れた発表と評価され,約70名のM1院生の中から選ばれた6名の受賞者の内の一人となった.
受賞日: 2025年3月28日
一般社団法人 日本航空宇宙学会 令和6年度 日本航空宇宙学会学生賞
第36回乱流制御研究会 最優秀賞 (Best Presentation Award)
受賞内容:第36回乱流制御研究会において,最も優れた研究発表として認められた.発表内容は,Taylor-Couette-Poiseuille流における超臨界遷移-亜臨界遷移の切替りを直接数値シミュレーションにより明らかにしたもので,三次元的せん断流の乱流遷移のメカニズム解明に迫るものであり,さらに複雑な非等方性の定量評価を試みたものである.当該研究会は,12機関(大阪電気通信大学,金沢工科大学,慶應義塾大学,芝浦工業大学,電気通信大学,東海大学,東京大学,東京農工大学,東京理科大学,同志社大学,明治大学,JAXA)の乱流研究に関わる研究室が合同で企画するものであり,オンライン参加を含めて約100名の参加者を集めた.
受賞日: 2025年1月17日
独立行政法人 日本学術振興会 特別研究員 DC2
第32回乱流制御研究会 優秀賞 (Outstanding Presentation Award)
受賞内容:第32回乱流制御研究会において,優れた研究発表として認められた.発表内容は,室内の未知の2次元流を即時推定および見える化を目指したもので,有限数のセンサー情報と,似た流れ場で事前に取得したPOD(固有直交分解)基底の上位数モードで速度場再構築を行う手法検証と,AR(拡張現実)可視化のデモンストレーションの報告である.本研究は,東京大学生産技術研究所・界面輸送工学研究室(主宰:長谷川洋介教授)との共同研究である.当該研究会は,12機関(大阪電気通信大学,金沢工業大学,慶應義塾大学,芝浦工業大学,電気通信大学,東海大学,東京大学,東京農工大学,東京理科大学,同志社大学,明治大学,JAXA)の乱流研究に関わる研究室が合同で企画するものであり,オンライン参加を含めて約110名の参加者を集めた.
受賞日: 2023年12月22日
日本流体力学年会2023 若手優秀講演表彰
受賞内容:一般社団法人日本流体力学会が主催する日本流体力学会年会2023において若手優秀講演表彰を受賞した.表彰対象は,当該学会で筆頭著者として講演を行い,2023年4月1日時点で30歳未満の学生・社会人等であり,審査により選ばれた13名の受賞者の内の一人となった.本研究は,流体流れの複合剪断流における層流―乱流遷移の解明を目指した基礎研究であり,回転する同心二重円筒間の環状流路を圧力勾配でも駆動される流れに注目したものである.当該流れ系における超臨界と亜臨界の切り替わり,その狭間での層流化,そして特有の格子状渦流れを直接数値ミュレーションにより発見し,複合剪断流の解明を試みたものである.
受賞日: 2023年9月22日
一般社団法人 日本機械学会 三浦賞
公益社団法人 自動車技術会 大学院研究奨励賞
制度概要(抜粋):大学院研究奨励賞は大学院生の学業の向上発展に資することを目的に設けられたもので,大学院で優れた研究を行った大学院修了予定者を表彰するもの.研究対象は自動車に関連した技術分野. 受賞日: 2023年3月
第29回乱流制御研究会 優秀賞 (Outstanding Presentation Award)
受賞内容:第29回乱流制御研究会において,優れた研究発表として認められた.本研究は,層流状態でありながら定性的に異なる渦群を任意に選択可能な流れ場を対象にすることで,粘弾性流体乱流中で起き得る渦の変調・抑制・促進,または粘弾性誘起の流れ不安定性を系統的に調査する方法論を発案し,実現したものである.直接数値解析により粘弾性由来の様々な特徴や現象を発見し,さらには丹念な系統的調査を通して層流―乱流遷移過程を明らかにしている.当該研究会は,8機関(慶應義塾大学,東海大学,東京大学,東京農工大学,東京理科大学,電気通信大学,明治大学,JAXA)の乱流研究に関わる研究室が合同で企画するものであり,今回は東京大学生産技術研究所が主催する第38回生研TSFDシンポジウムとの合同開催であった.オンライン参加を含めて60名程度の参加者を集めた.
受賞日: 2023年3月9日
日本学生支援機構 大学院第一種奨学金 返還免除(半額)
一般財団法人 鷹野学術振興財団 奨学生
東京理科大学 イノベーティブ博士人材育成プロジェクト(JST次世代研究者挑戦的研究プログラム)支援学生
独立行政法人 日本学術振興会 特別研究員 DC2
第25回8機関合同乱流制御研究会 最優秀賞 (Best Presentation Award)
受賞内容:第25回乱流制御研究会において,最も優れた研究発表として認められた.本研究は,流体流れの層流―乱流の亜臨界遷移に見る普遍性の解明を目指した基礎研究であり,同心二重円筒間の環状流路を流れる際の乱流の局在化(乱流パフ)を直接数値ミュレーションにより再現し,乱流パフの時空間間欠性を統計力学の観点から解明を試みたものである.当該研究会は,8機関(慶應義塾大学,東海大学,東京大学,東京農工大学,東京理科大学,電気通信大学,明治大学,JAXA)の乱流研究に関わる研究室が合同で企画するものである.オンライン開催で毎回90名程度の参加者を集める.
受賞日: 2022年3月8日
日本流体力学主催 第35回数値流体力学シンポジウム 若手優秀講演表彰
受賞内容:一般社団法人日本流体力学会が主催する第35回数値流体力学シンポジウム(2021/12/14-16,オンライン開催)において若手優秀講演表彰を受賞した.表彰対象は,当該シンポジウムで筆頭著者として講演を行い,2021年4月1日時点で30歳未満の学生・社会人等であり,審査により選ばれた15名の受賞者の内の一人となった.本研究は,流体流れの層流―乱流の亜臨界遷移に見る普遍性の解明を目指した基礎研究であり,同心二重円筒間の環状流路を流れる際の乱流の局在化(乱流パフ)を直接数値ミュレーションにより再現し,乱流パフの時空間間欠性を統計力学の観点から解明を試みたものである.
受賞日: 2021年12月23日
2021年度農理工学際連携コース発表会 優秀ポスター賞
受賞内容:乱流下の物質拡散における拡散源位置の即時推定に向けた,基礎研究である.拡散源下流の物質濃度瞬時分布(画像)に基づいて,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による機械学習を行い,画像から点源位置までの距離を予測する試みであり,本研究では直接数値計算(DNS)により訓練データを提供し,回帰予測の性能を検証した.「農理工学際連携コース」は理工学研究科横断型コースの一つで,専攻を跨いだ幅広い分野から自由に学生・教員が参加して多分野融合的な議論を促す取り組みである.
受賞日: 2021年12月15日
The 8th Asian Symp. on Comput. Heat Transfer & Fluid Flow "Best Paper Award"
受賞内容:第8回アジア計算熱流体力学シンポジウム(The 8th Asian Symp. on Comput. Heat Transfer & Fluid Flow: ASCHT2021)において優れた論文発表の一つと認められ,Best Paper Awardを受賞した.本研究は,同心二重円筒間内の複合せん断流における亜臨界乱流遷移過程の一端を明らかにしたものであり,直交する駆動力の強さに応じて変化する様々な乱流局在化を見出した.当該国際会議は,中国青島の現地会場を拠点にしたハイブリッド形式で開催され,当講演はオンライン参加による発表となった.
受賞日: 2021年9月25日
第25回海洋データ同化夏の学校 優秀発表賞
受賞内容:第25回海洋データ同化夏の学校(公益財団法人日本海洋科学振興財団主催,統計数理研究所統計思考院公募型人材育成事業支援)にて,実習課題に対してEnKF(アンサンブルカルマンフィルタ)による観測インパクトの調査を行い,得られた実習成果に関する発表が優秀と認められた.データ同化とは,観測データを数値シミュレーションに取り込み,より確からしい数値予測を可能にする手法であり,気象予測等で活用されている.今回,夏の学校参加者への共通課題(Lorenz63システム)に対して,データ同化手法の1つであるEnKFを参加者自身が実装し,観測データの観測成分の数を変更するなどして数値予測挙動の比較及び最も観測に影響のある成分を特定した.これら調査内容の発表について,審査委員から高く評価されて,本賞を受賞した.
受賞日: 2021年8月13日
日本学生支援機構 大学院第一種奨学金 返還免除
第22回8機関合同乱流制御研究会 優秀賞 (Outstanding Presentation Award)
受賞内容:第22回乱流制御研究会における講演発表について,優れた研究発表を行ったと認められた.本研究は,同心二重円筒間内の複合せん断流における亜臨界乱流遷移過程の一端を明らかにしたものである.当該研究会は,8機関(慶應義塾大学,東海大学,東京大学,東京農工大学,東京理科大学,電気通信大学,明治大学,JAXA)の乱流研究に関わる研究室が合同で企画するものである.2014年から年3回開催(昨年からオンライン開催)しており,毎回90名以上の参加者を集める.
受賞日: 2021年6月18日
東京理科大学マテリアル人材フェローシップ
公益社団法人自動車技術会 2020年度 大学院研究奨励賞
研究テーマ:壁面せん断流の亜臨界乱流遷移における時空間欠性の普遍性解明
受賞研究内容:当該研究では,空気などの流体が乱流に遷移する際の特性や乱流維持限界を大規模数値シミュレーションによって解析し,新たな側面(非平衡物理現象にみる有向パーコレーション)を見出した.ちなみに自動車周りの気流や,エンジン内の燃焼が乱流になると,それぞれ空気抵抗や燃料混合性の増加に繋がるため,省エネ・高燃効率の車開発を目指す上で重要な物理現象である.受賞候補者は,乱流臨界条件を求め,その臨界付近で層流―乱流の時空間的共存パターンが確率モデルで記述できることを明らかにし,乱流遷移の解明に貢献した.
受賞日: 2021年3月
日本航空宇宙学会主催 第58回飛行機シンポジウム 学生優秀講演賞
発表題目:主流乱れと円柱粗さの相互作用による後退平板境界層乱流遷移の直接数値解析
受賞内容:一般社団法人日本航空宇宙学会主催の第58回飛行機シンポジウム(オンライン開催)において,学生優秀講演賞に選ばれ,賞状が授与された.本研究は,乱流モデルを用いない高解像度の直接数値シミュレーションをスーパーコンピュータ等で行い,流れの不安定性に対する円柱(翼表面の微細な粗さモデル)の影響を解析した.得られた知見は次世代航空機開発の高度化,特に後退層流翼上の乱流遷移予測・解明に資する基礎研究である.また,本研究成果は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究によるものである.
受賞日: 2020年12月26日
第56回日本心血管インターベンション治療学会 関東甲信越地方会 最優秀演題賞
発表題目:数値解析を用いた冠動脈狭窄部における不完全圧着ステントの影響評価
受賞内容:第56 回日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)関東甲信越地方会(東京会場からWeb配信で開催)において,175件の採択演題から抄録に基づきYIA (Young Investigator Award 臨床研究) セッションの発表5件の一つに選出され,さらに審査を経て最優秀演題賞(当セッションに1名)を受賞し,賞状と奨励金が授与された.当該学会は主にカテーテル治療に従事する医師らが多く参加し,講演セッションでも当該学生が唯一の非医療系院生(修士)であった.本研究は,経皮的冠動脈形成術の治療成績の安定化に資することを目指した基礎研究で,冠動脈に留置したステントの拡張不全および圧着不良が与える冠血流への影響について数値流体力学シミュレーションによる解析を実施した.狭窄血管の簡易モデルに加えて,実際の患者のOCT画像を用いた冠血流の評価も行っている.審査委員や聴講者の医師らから関心と今後の期待が多数寄せられた.
受賞日: 2020年7月24日
一般社団法人 日本機械学会流体工学部門 複雑流体研究会 優秀発表表彰
発表題目:回転平面クエット流におけるロールセル構造への粘弾性安定化作用
受賞内容:第21回 複雑流体研究会(同志社大学 京田辺キャンパスにて開催.共催:同志社大学エネルギー変換研究センター)において,大学院生による発表に対して参加教員による審査を行い,13件の発表の中から1名に対して優秀発表として表彰された.本研究では,高分子ポリマーや界面活性剤の希薄水溶液が呈する粘弾性的性質について,壁面せん断流の直接数値シミュレーションにより明らかにしたものである.特に,定常3次元ロールセル(縦渦)を発現する回転平面クエット流(層流)を対象に,粘弾性流体がもたらす流れの安定化について調べた.弾性の緩和時間の増加に応じてスパン方向の流体運動が抑制され,主流方向に一様な2次元ロールセルへの渦構造変化を捉えた.これは,依然として未解明である乱流摩擦抵抗低減(Toms効果)のメカニズムとして,壁乱流の自己維持過程の阻害を示唆するものである. 受賞日: 2019年6月22日
独立行政法人 日本学術振興会 特別研究員 DC1
公益信託 岩井久雄記念東京奨学育英基金 奨学生
公益財団法人 川村育英会 一般奨学生
一般社団法人 日本機械学会 畠山賞
独立行政法人 日本学術振興会 特別研究員 DC1
一般社団法人 日本機械学会流体工学部門 優秀講演表彰 受賞
発表題目:回転チャネル乱流中に発生する大規模間欠構造の強化と減衰
受賞内容:当該研究が,第91期日本機械学会流体工学部門講演会において優れた研究発表であるとして認められた.当該年度末で30歳以下の本会会員(正員・学生員を問わない)を応募資格として,講演論文・発表・質疑応答等について審査し,候補者47名の内から3名が選ばれた. 受賞日: 2013年11月9日