センター長 挨拶

ウォーターフロンティア研究センター センター長工学部機械工学科 教授
元祐 昌廣
「水」は、生命活動の基盤を形成する重要な物質であり、我々人間を含めてほとんどの生命はこの恩恵なしに生きていくことはできず、有史上最も長く頻繁に利用されてきた物質といっても過言ではありません。しかしながら、その性質や機能については未解明な部分が多く、なかでも、物質表面と水の相互作用が強く関わる「水界面」については特に理解と制御が難しい領域です。
本研究センターは、この水と物質や材料の表面が強い相互作用を示す「水界面」の機序の解明とその新たな制御則を見出すための学術研究の推進と、産業界と併走して共に考えながらソリューションの提供を指向した研究拠点を形成するべく、創設されました。水の応用は多岐に渡りますが、学問分野や時空間スケールの垣根を超えた学際的研究により、他に類を見ない問題解決型の研究組織として、イノベーションの創出と社会貢献を目指します。
学術的ビジョン

ウォーターフロンティア研究センター(Water Frontier
Research Center: WaTUS)では、「水界面」に関する機序の理解と制御則の創出を目的として、従来の学問領域の垣根を超えた学際的な共同研究を推進します。そのために、水との関係性に関する「物質と水」「生命と水」「環境と水」の3ユニットから構成されます。そして、各ユニット内には、機能性材料を創成する「材料創成」、高度な計測・分析技術を開発する「計測分析」、理論解析やシミュレーションを専門とする「理論解析」の研究者達を配しており、多様な分野の研究者達が三位一体で共同研究を実施し、各研究ターゲットに取り組む体制となっています。各々の研究者が自身の得意分野を活かしながら連携を深めることでシナジー効果を発生させ、様々な未解決問題に取り組んでいき、持続可能な社会の形成に貢献していきます。