経営に関わる多くの問題が組合せ最適化問題として定式化されます。ある新聞配達員がいくつかの家に新聞を配達しようとしたとき、どのように回ったら早く配達を完了できるのでしょうか。これは巡回セールスマン問題と呼ばれており、簡単そうに見えますが、すべてのルートの中から最短ルートを求めることは容易ではありません。本研究室は組合せ最適化問題の高速解法や、生産・物流システムの最適化の研究を行っています。
われわれは、空気を吸います。ご飯を食べます。木の家に住み、木の椅子に座ります。紙を使います。そのような、われわれが享受している自然の惠や、当たり前の日常を支える農林業に関する研究を行います。実データを用い、統計モデリング・地理空間データ解析・機械学習・深層学習など様々な解析手法を用い、農林業の現場や社会に役立つ研究を目指しています。
金融における工学的なアプローチの総称を金融工学といい、金融市場の不確実性に起因するリスクを分析します。企業経営においてもリスクは重要な視点であり、金融工学の技術を応用したリアルオプションによって経営上のリスクを分析し、投資などの意思決定に役立てます。応用分野として、スポーツファイナンスや感染症問題にも取り組みます。本研究室では、これらの研究指導をとおして、工学的な問題発見・解決能力を備えたリーダーを育成します。
世の中では実に多くのデータがとられており、さまざまな統計手法が用いられて解析されています。しかしながら、どのようなデータにどのような手法を用いればよいのかは現実の解析で必ず直面する問題です。本研究室では幅広い分野(ヘルスケア、環境、製造工程、ISO、競技等)における、実際のデータ解析において遭遇するさまざまな問題点に対して、実践的な解決案を開発、研究しています。
一人ひとりが安心安全に十分な機能を享受できる“もの(=よき質)”を提供するには、機械や電気、化学などの知識と同様に、“もの”の質データを分析し、最適化する技術、それを効果的に活用するしくみ(=品質管理)が必要です。本研究室では、統計学から機械学習まで視野に入れて、よい質を実現するためのデータ分析方法を研究しています。これまで難しいとされてきた木材加工(天然材料)の品質管理にもチャレンジしています。
ビッグデータからの規則性発見、知識抽出を行い、その結果を戦略的に活用していく方法論を研究しています。具体的には、生命・医療系のデータマイニング、クラウド型WEBアプリのログからの消費者行動モデル生成など、特定分野の専門家や企業と連携して迅速かつ合理的に分析結果を引き出すアナリティクス工学を経営工学的視点から実践していきます。グローバル情報化の時代にマッチした学生を輩出すべく研究を指導します。
持続可能な豊かな地域社会の創生を目指し、地域創生に係る諸問題を対象に工学的アプローチを基本としたマネジメント及び問題解決能力を修得します。対象が地域社会問題であることから文系的な発想が重視されますが、観察した結果を数学で解く理系の学問でもあります。本研究室では、地域システムにおける諸問題に対して、文理融合・分野融合的アプローチを備え、高度な問題解決能力を持つ人材育成を目指します。
政策や規制など社会全体で決めるようなことは、実施に至るまで、どのようなことをする必要があるのでしょうか。社会に受け入れられるか、環境に優しいか、安全・安心であるか、費用に対する効果はどの程度であるかなど、様々な観点から分析し、評価を行う必要があります。本研究室では、数学モデル、統計的手法、経済学、社会調査・実験等を用いて、規制と市場の相互作用についての分析や政策が社会に及ぼす影響の評価などを行っています。特に、エネルギー、医療それぞれの分野へ応用し、それらの意思決定分析や評価手法の開発を進めています。
再生可能エネルギーの利用技術について、持続可能なイノベーションの創出を念頭に実験的検証あるいはLCA等の指標を利用した研究を進めています。特に、原料から環境にやさしい高付加価値製品の市場への投入を目途に、エネルギー技術の規格化や産学国際連携による水素製造及び燃料電池技術、農業食品工学の分野に至るシステム設計について、SDGsを意識した最適システムの導入に力を入れています。
現実世界で収集された情報に対して人工知能技術を用いて解析することにより、人間の意思決定を支援するための情報を作り出す研究を行っています。具体的な例として、スマートデバイスなどを用いてオフィス等で仕事中の人間の情報(表情、視線、脈拍、脳波)から疲労度や集中度を推測する研究、自動車運転者の情報から危険運転(居眠・散漫運転)検知を行う研究等を行っています。また、その結果を活用したサービスシステムへの応用研究も行っています。
対話や観測を通じて相手の認識・知識の状態を把握し、適切な情報提供を試みる高度な推論機能を持つ情報システムに関する研究を行っています。こうしたシステムは、大量の情報からパターンを発見し活用するための機械学習、点と点の情報を繋ぎ合わせることで新たな帰結を見出す論理推論、情報と現実を結びつけるIoT・DX、といった技術を新旧問わず適切に組み合わせることにより、はじめて実現できるものです。本研究室は、こうした幅広い技術の研究を通じてこれからの世界をSurviveできる人材の育成を目指します。
人工知能アルゴリズムの設計や応用に関して、主に最適化や機械学習からアプローチして研究を行っています。最適化では、遺伝的アルゴリズムや粒子群最適化をはじめとして、生物の進化や振る舞いを模擬した枠組みである進化計算に基づいた最適化アルゴリズムの設計および応用に関して研究を行っています。機械学習では、深層学習や強化学習をはじめとして、様々な機械学習モデルを対象として研究を行っています。応用に関しては、医療や社会システムを主な対象分野としています。