当研究室では,非線形非平衡領域での自己組織化,すなわち散逸構造の理解・応用を目指した研究を行っています. 現象に着目する研究室であり,物質に着目する研究とは異なります そのため,一見全く異なるような対象,例えば地質学的な対象や生物学的な対象も取り扱い,ゼミでは平行して議論を行います. 以下では,住野研究室に行っている研究を代表的なものを紹介します

アクティブマター

細胞内環境・生物集団・社会など生き生きとした系を考えて見ましょう.これらは熱揺らぎで動くのではなく,自ら動くものを集合させた系です.これらの系がどのように振舞うのかは非常に難しい問題です.しかし,単純化と統計力学の発想を援用し,集団としてのマクロの振る舞いに着目することで理解を進めようという物理学が進行中です.この際,対象とする系の事を能動的な物質,アクティブマターと呼びます.数値的計算や理論研究ももちろんのこと,実験的には能動的に運動する液滴・液晶・コロイドを非平衡ソフトマターで構築しすることもできます. これらの系でも群れ運動など時間・空間的に美しいパターンを生み出すことが知られています.

レオロジー

工事中

メソ界面

工事中

粉体

砂やトナー粒子,コーヒー豆などに代表される粉体は,熱揺らぎがその重心運動に影響を及ぼさないマクロな粒子多体系である. 砂時計の中の砂の様子を思い浮かべると,表面の砂はサラサラと流体のように流るが,底の砂は固体のように静止したままである. このように,粉体通常の固体や流体とは異なる挙動を示す.我々は特に粉体の力学的な特性や粉体の作るパターン形成現象などに着目して研究しています.

ジャミング転移

粉体や,コロイド分散系,泡などはその充填率が高いと粒子同士が接触し剛性を伴い固体的に振る舞う.   一方,密度が低い場合は粒子の接触がなくなり粒子が自由に動くことができ流体的に振る舞う.この固体と流体の転移はジャミング転移と呼ばれる. 我々は,特にジャミング転移点近傍の物理量の臨界性などに着目し,数値計算・理論解析を用いた研究を行っています.


研究室に入る学生が学んでおくこと

物理学:力学・熱統計力学・量子力学他

住野研究室で研究を行う際は,多様な系に関して基礎知識を身につけることが必要です.しかしながら.これらの知見は実際の研究を行いながら教科書をベースに学ぶことで吸収できます.それよりも学部時代には,基礎的な物理学をしっかりと身につけること,特に演習問題もさることながらそれぞれの物理学の概念に関して様々な教科書を熟読し身体性を持って身につけることが大事です.

言語:外国語・数学・計算機言語

語学は自らの持つ世界を拡張してくれます.語学を身につけることは,それぞれの言語が用いられている領域での文化を学ぶことにもつながります.英語(外国語)・数学・計算機言語と一見,それぞれ異なる領域に感じられるかもしれませんが,繰り返しの訓練が実を結ぶことや,世界を広げてくれること,一朝一夕で身につかないことが共通しています.それぞれの文化を身につけることを意識して継続的に学習してください.