近年、人体内周辺でネットワークを構成するBAN(Body Area Network)での利用を目的とした通信方式において人体を伝送路とする人体通信が注目を集めている。
人体通信は、人体を伝送路とするので、信号伝送時に周辺の空間に電界がほとんど漏洩しにくいため、送信している情報の秘匿性が高く、
また目標とする機器以外に放射される電界がほとんどないため、低電力で低干渉な通信が実現できることから新たな通信方式として期待されている。
しかし、人体通信は人体近傍に存在する機器間のみの通信方式なので、機器内に蓄積したデータを取り出す際や新たにデータを取り込むためには専用の機器に触れなければならないので、限られた状況でしか情報のやり取りが行えない。
そのため、人体近傍外に存在する機器との情報通信を行うために外部ネットワークとの接続を可能にする必要がある。そこで、外部ネットワーク用アンテナを人体通信素子近傍に配置した際に互いに及ぼす影響について調査、検討を行った。