乳がんの治療には早期発見が重要であり、そのため患者にとって精神的負担、経済的負担の少ない、定期診断に適した乳がん診断法が求められています。 マイクロ波イメージングを用いた乳がん診断法はCT検査やMRI、超音波診断などといった従来の乳がん診断法と比較し、コストが低く、 患者の負担が少ないという長所を有していることから期待されている新しい乳がん診断法です。生体(誘電体)を伝搬するマイクロ波は、 電気的特性の異なる物質に到達した際、その境界面で一部が反射するという特性を有しています。乳がんとその周辺組織(乳房)では電気的特性が異なります。 そのため乳房を伝搬するマイクロ波は乳がんに到達した際、その境界面で反射が生じます。以上の原理より乳房にマイクロ波を照射し、 がんによる反射が生じているかどうかを観測することで乳がんの診断を行います。当研究室ではマイクロ波の照射方法や、多重反射による偽像を除去する方法、 がんによる反射ではない不要反射を低減する手法について研究を行っています。生体等価ファントムを用いた実測も行っています。